2024年03月19日( 火 )

「日米関係はトランプ政権時よりも強固に」~ケネディ元駐日米国大使が「fabbit Conference全国大会2020」で講演

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キャロライン・ケネディ元大使
(右上)モデレーターの那珂通雅氏

 スタートアップ企業の創業支援やコワーキングスペース・レンタルオフィス「fabbit」の運営などを行うfabbit(株)は25日、第29代駐日米国大使・キャロライン・ケネディ氏を招きオンラインで「fabbit Conference全国大会2020」を開催した。

 ケネディ氏は第35代米国大統領のジョン・F・ケネディ氏の長女にして、オバマ政権時に駐日米国大使(2013年11月~17年1月)として活躍。沖縄の土地の日本政府への返還など多方面で日米間の交流を図り、オバマ元大統領の広島訪問、安倍前首相の真珠湾訪問という歴史的イベントの立役者。大統領選挙でバイデン氏の勝利が確実視され、今後の日米間の関係に注目が集まるなか、キーマンの1人として注目されている人物だ。

 ケネディ氏は、大統領選について「非常にワクワクしている。今はトランプ大統領も政権維持に動いているが、間違いなく次期大統領はバイデン氏だ。彼はこれまで培ってきた豊富な経験と優秀さを兼ねそろえている」と大きな期待を示した。

 また、ケネディ氏はダウ工業株30種平均が史上初となる3万ドルの大台を超えたことについて喜びを示すとともに「日本の株価も上昇しており、両国の経済が良い傾向にあることに喜んでいます。また、コロナ対策では日本のほうが成功している事案が多く、米国としても学ぶべきことが多い」とコメント。

 大統領選挙が行われるたびに日本で懸念されるのが、今後の日米関係の行く末。ケネディ氏は、日米同盟は両国間だけでなく世界にとっても重要な同盟であり、継続していかなければならないものだとしている。「菅首相のことは、官房長官の時から仕事、プライベートともに交流してよく知っています。菅首相とバイデン氏には、共通点も多くあります。個人的には安倍元首相とトランプ大統領の時代よりも、より強固な関係が結べると期待しています」。

 また今後の日米間の関係において、教育機関、若い起業家やベンチャー企業間の交流が重要であるとした。両国の文化の良い部分をお互いが学んでいくべきだとしたうえで、「日本の起業家にはシャイな人が多い。日本には優秀な人材が多く、もっている文化やアイデアはすばらしいものもたくさんある。新しい方法で、自信をもって自分の意見を表明してほしい」と呼びかけた。

【麓 由哉】


<PROFILE>
キャロライン・ケネディ氏

 元駐日アメリカ合衆国大使。在任中には、第2次世界大戦終結70周年を記念し、オバマ元大統領の広島訪問、安倍前首相の真珠湾訪問という歴史的な訪問を行った。大使として、女性の経済的地位向上を支援し、日米間の学生交流の拡大に努めた。また、1972年以来、最大規模となる米軍による沖縄の土地の日本政府への返還にも尽力。弁護士であり、法律、公民権、詩など11冊の本の著者・編集者でもある。ジョン・F・ケネディ図書館財団名誉会長、日米財団理事。

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