2024年03月19日( 火 )

500名を上回る新規患者が韓国で3日連続発生(前)

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日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏

コロナ禍で安全な国・危険な国ランキング

 11月24日に、韓国人にとって意外なニュースが発表された。ブルームバーグ通信による「コロナ時代、世界で最も安全・危険な国・地域-レジリエンスランキング」だ。今回の評価は、経済規模が2,000億ドルを超えている世界53カ国を対象に行われ、その順位が公表された。

 評価の基準となる10項目には、人口あたりの患者数や死亡者数、ワクチン購入の契約の締結状況、外出制限などの規制、医療体制、GDPの今後の展望などが含まれ、1カ月にわたって評価が行われたとされる。

 この評価で、韓国は100点満点で82.3点を獲得し、4位となった。1位はニュージーランド(85.4点)、2位は日本(85.0点)、3位は台湾(82.9点)だった。韓国は自国で開発された診断キットを活用して早期に診断を実施したこと、世界に先駆けて「ドライブスルー検査」を導入したことなどが高く評価されたようだ。

 日本は、政府が規制をあまり行わないなかでも、防疫に一定の成果を上げていること、国民の衛生意識の高さ、高いマスク着用率が上位にランクした原因のようだ。人口が1億2,000万人以上でありながらも、新型コロナウイルスの重症患者数が331人のみであることも高評価につながったようだ。

 新型コロナウイルスの対応では、世界で韓国がもっとも優れているだろうと固く信じて疑わなかった韓国人にとって、自国が4位になったこと、加えて、PCR検査もあまり行わず、対応が後手に回っていた日本が2位となった結果は納得できないものだっただろう。韓国は世界でもっとも安全で、防疫体制がもっとも進んでいる国であると信じる韓国の国民にとって、これは衝撃的なニュースであったに違いない。

患者の大量発生が韓国政府を揺さぶる

 上記のニュースだけではなく、韓国政府を揺さぶるニュースがマスコミを賑わしている。28日には、韓国では新型コロナウイルスの新規患者が504名も発生した。26日には、583名の新規患者が発生し、27日にも568名の新規患者が発生しため、3日連続で500名を上回った。このような患者の大量発生は、数カ月ぶりである。

 韓国の中央防疫対策本部によると、504名の内訳は、国内の新規患者が486名で、海外からの患者が18名であるという。これで新型コロナウイルスの累計患者数は3万3,375名となり、累計死亡者数は522名となった。

 新型コロナウイルスの第1波と第2波の特徴は、集団感染であった。ソウル・釜山につぐ韓国第三の都市と呼ばれる大邱の宗教団体、ソウル・梨泰院ナイトクラブなどの集団感染が原因で、新型コロナウイルス感染は拡大した。当時は特定の集団を集中的に管理すれば、感染拡大を抑えることができた。

 しかし、今回の第3波は様子が異なる。サウナ、教会、フィットネスクラブなど、さまざまな場所で新型コロナウイルスが発生しており、容易に対応できる状況ではなさそうだ。まだ断定はできないが、新型コロナウイルスの患者が発生する場所が増えると、感染拡大を抑制することはたいへん難しくなる可能性がある。

 冬の到来とともに、新型ウイルスが猛威を振るうことは、ある程度は想定されていた。しかし、連日500名を超える患者が発生しており、韓国政府は神経を尖らせている。

(つづく)

(後)

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