2024年04月20日( 土 )

ブッシュパイロットを目指し、クラウドファンディングで支援呼びかけ~インドネシアで人助けを

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 オーストラリア出身で、10歳から福岡県柳川市で過ごした藤木キアさん(20歳)。キアさんは現在、インドネシアのジャングルに住む人々に食料や医薬品を運ぶため、ブッシュパイロットの免許取得を目指している。

 キアさんのオーストラリア人の父は若いころから、地球温暖化防止、動物保護、環境保護に取り組み、地域の在来植物を植えて森を再生させるなど、寄付や保護活動を通じて環境保全に生涯を捧げていた。アジアを中心とする国々で森林伐採を止める活動にも取り組み、インドネシアでも森林伐採を止めて村を救ったという。しかし、キアさんが10歳のときに急病で倒れ、そのまま帰らぬ人となった。

 ジャングルで女手1つで男の子3人を育てきれないと考えたキアさんの母は、家族を連れ、実家がある福岡県柳川市に移住。その後、キアさんは地元の小学校、中学校に通い、柳川高校へ進学した。ここで培ったリーダーシップと行動力が、現在の彼の基盤となった。

 高校卒業と同時に、彼は夢だったパイロットになるための道を探し始める。通常、日本ではパイロットを目指す場合、航空大学に入学してライセンスを取得するか、または航空会社に就職してライセンスを取るのが一般的。

 パイロットになるためには、訓練費用に平均2,100万円が必要とされている。金額的に無理だと理解していたキアさんは、海外での免許取得にチャレンジすることを決意。カナダへ渡り、1年でパイロット免許を無事取得した。

 資金的な問題でパイロットを諦めている人々の光になりたいと思い、キアさんは自身の挑戦を自身のYouTubeチャンネルで配信し始めたところ、大きな反響があったという。“また夢を追いかけられる”、“僕もこれから海外でのチャレンジを決心しました”、“キアさんのおかげで海外で免許取得しました”などのコメントが寄せられ、彼もとてもうれしかったと話している。

 現在、キアさんは新たなパイロット免許の取得を目指している。今回、彼はインドネシアで「ブッシュパイロット」になるために、クラウドファンディングで支援を呼びかけている。

 ブッシュパイロットは、滑走路がないジャングルの奥地に住んでいる民族や集落の人々に、食料品や医療品、時には病人も運ぶ。パイロットのなかでも最も危険な職業の1つだ。しかし、キアさんは人助けと大好きな飛行機の操縦ができて、「何よりも父の意志を引き継ぐことができるなんて最高だ」と話す。

 今回のクラウドファンディングは1月27日午後7時から3月7日まで実施する予定。詳細はキアさんのSNSやYouTubeで発信する。

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