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2021年01月27日 10:41

中国経済新聞に学ぶ~中国謎の「ネット王」黄崢(後)

米国に留学、Googleで仕事

 黄崢氏はeコマースの巨頭アリババの故郷である杭州市出身で、黄崢氏の両親は工場労働者である。黄崢氏は浙江大学コンピューター専攻を卒業してから、2020年に米国に留学。卒業後、Googleに入社し、Google中国で仕事をした。「金を稼ぐ」「自分をさらに厳しくする」を目的にして、創業の道を歩み始めた。

 Googleの株式を売却した後、黄崢氏は消耗品販売のウェッブサイト「Ouku」(欧酷)を創業し、10年に220万ドルで売却し、19年に次のプロジェクト「Leqee」(楽其)を創業した。Leqeeは、企業がブランド品を中国最大のネット販売「アリババ」や「京東」に店舗展開をするのをサポートするサービスを行っている。2年後、黄崢氏はさらに新しいプロジェクト「Lebbay」(楽貝)を立ち上げた。黄崢氏はGoogleで学んだ知識を利用し、Lebbayのネット販売のウェブサイトを立ち上げた。これらのウェブサイトの目的は、顧客の商品の検索競争での順位を上げるのをサポートすることだ。

 それから、Lebbayの後に、さらに別のビジネスプロジェクトを誕生させた。黄崢チームは「上海尋夢」(上海夢探し)という会社を立ち上げ、ネットゲームを開発した。たとえば、東南アジアのギャンブラー向けの「Girls X Battle」(ゲーム参加者が自分のために戦ってくれる女性軍隊を集めるゲーム)である。

 黄崢氏は後に、ピンドゥオドゥオを生み出すアイデアを思いついた。黄崢氏は15年に自身のチームにソーシャルコマース(「社交電商」)企業を立ち上げるよう要求した。商品購入者が自分の買いたい商品を別の友人にも一緒に購入するよう説得できたら、優遇価格(割引)が得られる。このウェブサイトは果物から始め、後に現在のようなピンドゥオドゥオに発展させた。

 Sensor Towerのデータによると、過去1年で、ゲーム企業・上海尋夢の売上額は4.89億ドルに達した。この会社はすでにピンドゥオドゥオとともにキラキラに輝き、目を奪うばかりのニューオフィスビル「上海金虹橋国際センター」に引っ越した。

会社設立後わずか4年目に上場

 会社設立後4年目の18年7月、ピンドゥオドゥオは上海とニューヨークに同時上場し、正式にナスダック市場に登録を完了し、時価総額は240億ドルとなった。しかし思いがけないことに、黄崢氏はアリババの創始者・馬雲氏のようにニューヨーク市場に駆け付け上場の鐘を叩くのではなく、上海に残った。しかも上場前にピンドゥオドゥオの主な中国の運営実体――いわゆる「可変利益実体」(VIE)の多数の株式権利を大学の同級生で共同創始者の陳磊氏に譲渡したのである。黄崢は一貫して陳磊を信頼し、彼ら2人は一緒に奮闘してきた良き兄弟である。

 ピンドゥオドゥオはどうして成功したのか?その実際の成功の経験はただ1つ、80年以降生まれの黄崢氏はピンドゥオドゥオに低価格を持続させる能力を打ち立てさせ、加えてその能力は、競争相手に競争を生させるモデルで市場の隙間をつくり、同じ価格にさせない。このことをしっかり行うだけで、ピンドゥオドゥオはさらに巨大企業に成長する潜在力をもっている。

メディアに顔も出さず

 今日のように、ピンドウオドゥオは中国最大のネット小売販売のプラットフォームになり、その市場価値は1,040億ドルに達し、中国eコマース第2位となった。その売上は1,000億ドルを突破し、かつてのネット販売の、巨頭「京東」を追い越すほどの規模となった。ピンドゥオドウオは「6億人が使用するピンドゥオドゥオ」を実現させ、頻繁購入者は6.28億人となり、前年比42%増加し、アリババの年間頻繁購入者7.28億人との差は1億人未満となった。

 成功の真っただ中にあった20年7月、黄崢氏はピンドゥオドゥオのCEO職を辞任すると宣言し、8月には董事長職も辞任し、将来、自身はさらに多くの時間を董事会と中長期戦略制定に充てると言っている。この意味は40歳になった黄崢氏のリタイヤ宣言だろうか?

 20年11月5日付の雑誌「Forbes China」は20年の中国富豪の番付を発表した、そのなかで、アリババ創始者・馬雲氏は連続3年第1位を保持し、第2位は「騰訊」(テンセント)董事会主席兼最高経営責任者・馬化騰氏。ピンドゥオドゥオの創始者黄崢氏は第7位で、資産総額は454億ドル。ピンドゥオドゥオはすでにアリババの最大の競争相手となったが、聡明な黄崢氏は馬雲氏より非常に控えめで、メディアにも出さず、いかなるフォーラムにも参加せず講演もしない。黄崢氏は中国の古い訓話の「禍は口から」を頑なに保っている。

(了)


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