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2021年04月15日 11:00

『脊振の自然に魅せられて』ヤマザクラの下で喜寿祝い(後)

ヤマザクラのある場所に到着

 蛤岳の山頂から脊振方面へ15分ほど歩くと、ヤマザクラのある場所に着いた。登山道から入り込んだこの場所は、明るく静かでのんびりできる場所である。車から見た林道沿いのヤマザクラはすでに満開であり、山奥にあるこの場所のヤマザクラも咲いているだろうかと期待が膨らんだ。

 大きなヤマザクラの幹に目を通しながら空を見上げると、ヤマザクラはまだ蕾であった。周辺の日当たりの良い場所に、若いヤマザクラが少し花を付けていた。仲間らは周辺を見て歩き、巨木のヤマザクラを見つけて手を広げ、幹の太さを計っていた。ヤマザクラの幹は2人の手を広げてやっと届くほどの太さで、ワンダーフォーゲルの先輩Tが「樹齢100年超え」と目測した。

 ヤマザクラは通常、単独で樹立しているため、ほかの樹木に負けずに光合成をしようと空高くまで幹を伸ばし、少しでも太陽光線を浴びようとしている。他の樹木との生存競争に負けたヤマザクラは枯れてゆくが、ここのヤマザクラはたくましく生き伸びていた。開花まであと1週間と予測した。

 ヤマザクラの元で、静かなコーヒーブレークをした。それぞれ自然に間隔を空けて腰を降ろし、休憩を楽しんだ。仲間がそれぞれ持参したお菓子を振舞う。いつも果物を持参する後輩のHはデコポンを振る舞ってくれた。私はコンビニで買った「こしあん大福」を仲間に配り、アンパンとコーヒーで一息ついた。

 この日、喜寿を迎えた筆者と先輩の Tのお祝いを女性 Sに密かに頼んでいた。先輩Tに内緒にしていた喜寿祝いが始まった。Sは「祝:喜寿」と筆者とTの名前入りで飾りのついた小さな団扇をプレゼントし、長寿を祝うお菓子も用意してくれた。先輩 Tは感動していた。開花には少し早いヤマザクラの樹の下で、山仲間からの喜寿の祝いとは、なんと素敵なことであろう。

クロモジの花の群生

 1週間後、同じ仲間で再びヤマザクラを見に来ることにして、帰りは蛤水道へ直接下るルートを歩いた。下りの山道の両端に、クロモジの花がたくさん咲いていた。ヤマザクラの開花には少し早い日であったが、クロモジの花の群生が見られたのは収穫であり、全員が大喜びであった。

たくさんの花を咲かせたクロモジ(黒文字) 香木のため、高級和菓子の爪楊枝として利用されている
たくさんの花を咲かせたクロモジ(黒文字)
香木のため、高級和菓子の爪楊枝として利用されている

 蛤水道の源流では我々を歓迎するかのように可愛いネコヤナギも咲き、時おり野鳥のさえずりも聞こえた。

 早朝に集合した大杉のある神社の駐車場に午前11時ごろに戻り、それぞれ自宅へと向かった。

後記

 筆者の車には先輩Tと Mが同乗し、午前12時ごろ自宅に着いたが、夕刻にMから今日の記念写真を添付したメールが届き、「スマホを車のなかに忘れていませんでしたか」とコメントが付いていた。メールを目にした筆者は急いで車の後部座席、トランクを探したが、Mのスマホは見当たらなかった。

 Mの自宅に電話をすると、山に忘れてきたかと思って山に探しに行ったという。夜に筆者のスマホからMの番号に電話をしてみると、呼び出し音がするため、電波が届くところにあるとMに伝えた。

 結局はM夫人の携帯から電話をするとMのザックのなかから呼び出し音がすることが分かり、スマホが無事に見つかったという。いつもとは違ったところにスマホをしまい込んでいたようだ。

 80歳になるM。歳をとると慌てて冷静な判断ができないことがある。筆者も慌ててアクセルとブレーキの踏み違いだけは起こしてはならないと考え、車で出かける前には窓ガラス、ライト、室内の清掃をして車に感謝し、安全運転を心がけている。安全装置は付いているが、念を入れている。

(了)

2021年4月12日
脊振の自然を愛する会
代表 池田友行

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