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2021年08月24日 09:00

【再掲】2050年代を見据えた福岡のグランドデザイン構想(11)~新幹線延伸で北九州空港の利便性は向上するか?(需要誘発型)

C&C21研究会 理事 下川 弘 氏

 現在の北九州空港には鉄軌道が乗り入れておらず、車(バス、乗合タクシー、自家用車など)でのアクセスしかできないため、利便性が悪いといわれる。

 JR小倉駅から北九州空港までは、直線距離で約15km。これを仮に新幹線で結んだ場合、北九州経済圏にとっては、非常に便利になることは間違いないだろう。

 では、福岡経済圏からでは、どうだろうか。

 現在、JR西日本の山陽新幹線は、博多~小倉間の約56kmを約15分で結んでいる。ここからさらに、北九州空港までの約15kmを延伸するとしたら、移動時間は約20分+αほどになると考えられる。

 一方で新幹線料金のほうは、現在の博多~新下関(小倉駅からの直線距離は、北九州空港と同じく約15km)間と同額と仮定すると、大人片道3,280円(自由席)となる。ちなみに、西鉄高速バス(福北リムジンバス)は約1時間30分で福岡~北九州空港間を結んでおり、料金は大人片道2,000円である。

 いくら所要時間が短くなるとはいえ、新幹線が通ったからといって、福岡経済圏の方々がこれまで以上に北九州空港を活用するかどうかには、疑問符が付く。

 さらに大きな問題が2つ。新幹線を小倉駅から北九州空港まで延伸させるにあたって、どこが建設費を捻出・負担するのかという問題と、経営権がJR西日本とJR九州のいずれになるのかという問題だ。

 ただ、こうした諸問題が解決したところで、博多~北九州空港間の直行便は、1時間当たりの本数に限りが出てくるため、シャトル便のような感じにはならないだろうし、小倉駅からの乗り換えになることがほとんどだと思われる。

小倉駅から北九州空港まで新幹線を延伸した場合のイメージ
小倉駅から北九州空港まで新幹線を延伸した場合のイメージ

Map data (c) OpenStreetMap contributors, CC-BY-SA /一部加筆

(つづく)


<プロフィール>
C&C21研究会 理事 下川 弘 氏下川 弘(しもかわ・ひろし)

1961年生まれ、福岡県出身。熊本大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程を修了後、87年4月に(株)間組(現・(株)安藤・間)に入社。建築設計第一部や技術本部、総合企画本部企画部などを経て、99年1月には九州支店営業部に配属。その後、建築営業本部やベトナム現地法人、本社土木事業本部営業部長などを経て、2020年9月から九州支店建築営業部営業部長を務める。社外では99年9月からC&C21研究会事務局長(21年8月から理事)を務めるほか、体験活動協会FEA理事、(一社)日本プロジェクト産業協議会の国土・未来プロジェクト研究会幹事、(一社)防災教育指導協会顧問など数々の要職に就いている。

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