政府、成長戦略案から原発の「最大限活用」を削除、再エネの最大限導入へ
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原子力は「可能な限り依存度を低減」
政府が新たに取りまとめている成長戦略案から、原子力発電を「引き続き最大限活用していく」という言葉が削除されたことがわかったという。再生可能エネルギー普及を目指す環境省の小泉進次郎大臣や河野太郎規制改革担当大臣らの反対によるとされている。
6月2日付の成長戦略案によると、2050年のカーボンニュートラル、30年の温暖化ガス排出量46%削減目標を踏まえたグリーン成長戦略には、原子力は「可能な限り依存度を低減しつつ」「再生可能エネルギーを最大限導入する必要がある」と記載されており、再エネが活用される可能性が高まった。
福島第一原発事故以降、原発の安全性が深く懸念されているため、原子力以外の電源により電力が賄われることが望まれるが、これまでの政策ではそうした変化はもたらされなかった。原子力が占める電源構成の割合に影響が及ぶほど、エネルギー政策において再エネを推進する動きが高まっているということだ。
グリーン分野の政策
同グリーン分野の主な政策としては、2兆円の予算による脱炭素化に向けたイノベーション促進、脱炭素化に関する設備の投資促進税制、グリーン投資を引き起こす規制改革、海外市場獲得による国内産業の競争力強化、海外からの投資の取り込みなどが挙げられている。
再エネでは、洋上風力の導入目標として30年までに1,000万kW、40年までに3,000~4,500kWの案件をつくり、国内市場を生み出すことで国内外投資を呼び込み、強いサプライチェーンを築くとしている。
次世代型太陽電池は30年をメドに普及への移行を図り、既存の太陽電池の設置が困難な建物への設置拡大と市場化を実現するとしている。次世代型太陽電池とは、フィルム型で折り曲げられるためビル側面などにも設置しやすく、優れた発電効率が「期待されるプロブスカイト(PSC)太陽電池」などだ。
また、地熱発電は低コストで昼夜問わず安定して発電できるベースロード電源として、導入拡大を図るとしている。具体的には、投資資金の供給や法規制の見直し、技術開発などを行う。
【石井 ゆかり】
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