2024年04月29日( 月 )

【フィンテック】筑邦銀行が個人間送金アプリ「マネータップ」に対応

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マネータップ
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 筑邦銀行(久留米市)は6月14日、SBIホールディングス(SBIHD)の子会社「マネータップ」(東京都港区)が提供するスマホ用の個人間送金アプリ「Money Tap(マネータップ)」と接続、サービスを開始した。

 「Money Tap」では、対応する2つの銀行間口座で資金を移動して米国発フィンテック「リップルラボ」が開発したブロックチェーン(分散台帳)技術を使って記帳、送金する。サービス提供は24時間365日(メンテナンス時は除く)。

 筑邦銀行の普通預金口座とキャッシュカードの所有者で本人確認ができる公的証明書(運転免許証やマイナンバーカードなど)があれば、アプリへの口座登録後に、邦銀の口座に1回3万円、1日10万円を限度に無料送金できる。一方、受け取りはアプリへの口座登録が不要だが、普通預金口座以外の方法(携帯電話番号やQRコード)を使って受け取る際はアプリへの口座登録が要る。

 現在、対応する邦銀は同行とネット専業「住信SBIネット銀行」(東京都港区)の2行のみ。昨年9月から10月にかけて、NTTドコモが提供する「ドコモ口座」を不正利用して他人の預金口座から金を引き出す事件が相次ぎ、その影響でスルガ銀行(静岡県沼津市)と愛媛銀行(松山市)が対応を一時中止した。

 筑邦銀行は昨年10月、マネータップとの間で21年春に対応することで合意していた。同行デジタル戦略グループは、「銀行間の送金手数料は高止まりで、政府も引き下げを急いでいる。ドコモ口座不正利用事件の余波が収まれば、引き下げ競争が始まるはず」と判断、予定通り対応したという。

 マネータップをめぐっては16年10月、SBIHDグループのSBIリップルアジアが事務局になって、「内外為替一元化コンソーシアム」を結成。一時は3大メガバンクやゆうちょ銀行など、参加する邦銀が70行を超えた。しかし、参加行の間で国際送金の際は円と外貨の交換時にリップルラボの仮想通貨「XRP」を介在させるのではといった見方が広がり、コンソーシアムは解消した。

 18年10月に、住信SBI銀行、りそな銀行(大阪市)、スルガ銀行の3行が、マネータップによる邦銀間の個人送金サービスを開始していた。ところが、りそな銀行は同様の機能の「りそなウオレットアプリ」を開発、マネータップとの連携を中止するなど、紆余曲折した経緯がある。

【南里 秀之】

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