2022年06月27日( 月 )
by データ・マックス

政権刷新牽引するニューリーダー

 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事を抜粋して紹介する。今回は、「菅自民が自壊しているの状況を生かせないのは、野党の能力不足だ。共産党を含めて健全野党が結集して力を合わせるべき局面であり、この指揮を執る人物が新しいリーダーになる」と訴えた7月6日付の記事を紹介する。

東京都議選で自民党が惨敗。
辛うじて第1党を確保したが過去2番目の少数議席になった。

6月27日付ブログ記事
都議選自民勝利情報操作に騙されるな
に記述したように、都議選自民圧勝予想は事実でない情報流布という工作活動だった。

有権者に上から刷り込む手法が多用されている。
この情報工作にもかかわらず自民党は勝利できなかった。

都議選の確定投票率は42.39%。
前回2017年選挙より8.89%ポイント低く、過去2番目の低さ。

低投票率は自公に有利に働く。
自公支持者は選挙に全員が動員される。
岩盤票田。
投票率が低くなるほどこの票のウエイトが高くなる。

しかし、今回選挙では投票率が著しく下がったのに自民党は惨敗した。
公明党は得票を減らしたが辛うじて全員当選をはたした。

自民党の劣勢が鮮明になった。
都民ファーストは議席を激減させるとの情報が流布されたが自民党と第一党を争う善戦ぶりを示した。

菅自民は敗北街道を突き進んでいる。
1月17日投開票の沖縄県宮古島市長選で、社民・社大・共産・立民が推薦した前県議の座喜味一幸氏が、4選を目指した自民・公明推薦の下地敏彦氏に勝利。

陸上自衛隊が地対艦・地対空ミサイル部隊の弾薬を保管する目的で進めている弾薬庫建設の是非が争点になった。
敗北した下地前市長は宮古島への陸上自衛隊配備をめぐって業者に便宜を図った見返りに現金を受領した収賄容疑で5月12日に逮捕された。

1月31日投開票の北九州市議選で自民党現職6名が落選。

3月21日投開票の千葉県知事選で自民党県議から出馬した関政幸氏を前千葉市長・熊谷俊人氏が圧倒。
熊谷氏は関氏得票の3倍を超える過去最高の140万票超えの票を得た。

4月25日の国政三選挙で自民党が三敗=惨敗=全敗。
北海道2区衆院補選、長野県参院補選、広島県参院再選挙で野党連合候補が全勝した。

6月20日投開票の静岡県知事選で自民党推薦の岩井茂樹元国土交通副大臣が現職の野党連合候補である川勝平太氏に大敗。
得票数は川勝氏95.7万票に対して岩井氏62.5万票。

菅自民の敗北街道はインパール作戦敗走路の白骨街道を彷彿させる。
すべては菅首相の民意無視政策運営の反映だ。

都議選で都民ファーストが善戦した最大の要因は都民ファーストが五輪の無観客開催を公約に提示したこと。
この公約で都民ファーストの支持が上がり、これを見た小池都知事が最終局面で都民ファーストの応援に入った。

小池氏が応援したから都民ファーストが浮上したのではなく、都民ファーストが浮上したから小池氏が応援に入った。
流布されている情報は因果関係を逆に捉えている点で誤りだ。

菅義偉氏は自分の考えを押し通す。
しかし、ことごとく、そのすべてで失敗している。

GoToトラブル事業始動の強行。
昨年11月21日以降のGoToトラブル事業の継続強行。

12月の水際対策強化妨害
3月の緊急事態宣言解除強行
6月の緊急事態宣言解除強行と五輪有観客開催方針決定強行
のすべてで判断を誤り、失敗している。

国民はコロナ収束優先の判断を維持し続けている。
その民意を無視して菅義偉氏が自分の考えを押し通す。
この菅義偉氏に日本の主権者がNOを突き付けている。

菅義偉氏がこの期におよんで五輪の有観客開催に突き進むなら、菅自民は次の衆院総選挙で大敗する。
菅義偉氏が最後の最後で最低限の柔軟性を示すかどうかが注目される。

都議選で都民ファーストは善戦したが、影が薄いのが立憲民主党。
本来なら、立憲民主党が全員当選をはたし、議会過半数を獲得しておかしくない状況。
それほど菅自公に対する逆風は強い。

しかし、立憲民主党から次の政権を担う明確なビジョンと意気込みが示されない。
五輪についての主張もはっきりしない。
これでは政権刷新の気運が盛り上がらない。

投票率が42%に低迷したのも立憲民主党に対する熱烈な支持が生まれていないから。
国民の菅自民に対するNOは鮮明だが、次のリーダーが不在。

都議選で第2党を確保したのは都民ファーストで立憲民主党ではなかった。
立憲民主党所属議員は立憲民主党の閉塞感を真摯に見つめるべきだ。
五輪に対してもはっきりとした主張を示すべきだ。

2017年に枝野新党が支持されたのは、旧民進党の分離を断行したから。

旧民主党=旧民進党の最大の欠陥は「革新」と「守旧」の同居にあった。
09年に鳩山内閣が誕生したことは画期的だった。
鳩山内閣は日本政治刷新を構想した。

対米隷属からの脱却
官僚支配構造の打破
大資本による日本政治支配の打破
の基本方向を明示した。

しかし、鳩山内閣はわずか8カ月で崩壊した。
崩壊した主因は、民主党内部の「守旧勢力」による工作にあった。

私は民主党悪徳10人衆を明示した。

藤井裕久、渡部恒三、仙谷由人、菅直人、岡田克也、野田佳彦、前原誠司、枝野幸男、安住淳、玄葉光一郎
の各氏。

米国の意向、財務省の意向、大資本の意向を最優先した人々だ。

鳩山首相が辺野古移設を中止するための方策検討を指示したにもかかわらず、守旧勢力が妨害した。
「白アリ退治なき消費税増税阻止」の一枚看板は投げ捨てられた。
企業団体献金全面禁止の公約も投げ捨てられた。

旧民進党=旧民主党は「革新」と「守旧」の同居体であり、この問題を解消することが最重要課題だった。
17年の枝野新党結成で、この問題が解消されるかに思われたが、その後の枝野氏の行動が不明確。
元の「守旧路線」への回帰が鮮明だ。

政権を刷新するには共産党を含む野党共闘確立が必要不可欠。
そのための基本政策共有が求められる。
平和主義堅持、共生の経済政策、原発ゼロの基本政策を共有し、共産党を含む野党共闘を確立することが求められている。

旧民主党の守旧勢力が共産党との共闘構築を妨害している。
連合六産別と国民民主党だ。
この勢力を切り離して野党共闘体制を確立することが日本政治刷新への道を拡げる。

立憲民主党は党首を変えてでも、この路線を明確にすべきだ。

今回選挙で立憲民主と共産党との選挙協力が効を奏した。
枝野幸男氏は明確な方針を示すべきだ。
それができぬなら、日本の政治刷新は遠のく。
明確な野党共闘の方針を示す新党と新しいリーダーが必要になる。

菅自民が自壊しているのに、この機を生かせないのは野党の能力不足が原因。
共産党を含めて健全野党が結集し、力を合わせるべき局面。
この指揮を執る人物が新しいリーダーになる。

在野の人物を含めて人材を発掘して大きな連帯運動を構築しなければならない。


▼関連リンク
植草一秀の『知られざる真実』

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