2022年06月27日( 月 )
by データ・マックス

五輪強行で酒提供深夜営業店が激増

 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事を抜粋して紹介する。今回は、「五輪開催強行下での緊急事態宣言では効果がまったく発揮されず、飲酒提供、深夜営業事業者が激増することが予想される」と訴えた7月11日付の記事を紹介する。

五輪の開催強行は感染拡大推進策。
緊急事態宣言は感染抑制を目的とする。
ブレーキとアクセルを同時にふかすドリフト暴走だ。

菅義偉氏は東京五輪開催強行の強気策を採用してきた。
東京五輪に照準を合わせるなら、感染抑制を基軸に据えることが必要。

昨年3月24日の東京五輪延期決定から1年4カ月の時間があった。
この期間、感染収束に全力を注いできたならまったく様相は異なっただろう。
しかし、そうではなかった。

GoToトラブル事業の推進、
水際対策の妨害、
早すぎる緊急事態宣言解除
を続けてきた。

結果として感染再拡大、感染ピークで東京五輪の日程を迎えることになる。
順当な結果。
「天網恢恢疎にして失わず」だ。

「人類がコロナに打ち勝った証しとして東京五輪を完全なかたちで開催する」
との宣言は敗れ去った。
完全なるコロナ敗戦。

「コロナに打ち破れた証しとして東京五輪を中止する」
のが妥当。

6月21日に緊急事態宣言を無理やり解除した。
東京五輪有観客開催に突き進むためだった。
すでに人流は再拡大し、新規陽性者数も再拡大に転じる局面だった。
せめて7月11日まで緊急事態宣言を実施していれば状況は多少なりとも違っただろう。
菅義偉氏が強気の賭けに出た勝負はすべて完敗している。

昨年7月22日のGoToトラベル始動。
11月21日からの三連休前にGoToトラベルを停止させず12月28日まで推進。

12月の英国変異株確認に際して水際対策強化を年明け1月13日まで妨害。
3月のインド変異株確認に際して水際対策強化を5月1日まで妨害。
3月21日、6月21日の緊急事態宣言の時期尚早解除強行。
6月21日緊急事態宣言解除後に五輪有観客開催を強行決定。

これらのすべてのギャンブルに全敗している。
菅義偉氏の勝負弱さは事実によって立証済み。
緊急事態宣言発出にともない東京都の飲食店は酒類提供禁止を要請される。

しかし、酒類提供要請、時短要請を拒否している飲食店がある。
大半の飲食店が要請を受け入れているから、要請を受け入れない深夜営業、酒類提供飲食店は大繁盛。

こうした飲食店に対する規制強化策に強い反発が出た。
資金の貸し手という強い立場を用いて圧力をかける手法に批判が集中した。
規制強化は白紙に戻された。
このことによって酒類提供事業者が激増することが予想される。

営業自粛が行われているときに酒類提供、深夜営業を強行すれば売上は激増する。
しかし、その事業者が擁護されるなら、多くの自粛事業者が雪崩を打って酒類提供を始めるだろう。

深夜営業も一斉に再開されることになる。
大混沌が発生する。

もちろん、感染抑制は実現しない。
五輪開催強行は南アメリカからのラムダ株を間違いなく流入させるだろう。
デルタ株L452Rに加えてラムダ株F490Sが国内に流入する。
両変異株の特徴はワクチン有効性が低いこと。

失敗の本質は緊急事態宣言を発出して五輪開催を強行することにある。
五輪開催を強行して営業自粛を要請しても正当性がない。
菅コロナ大失政がいよいよ終末を迎えることになる。

首都圏の感染が急拡大している。
首都圏発の人流を抑制しなければ感染の全国拡大は止まらない。
北海道が五輪を無観客開催にしたのは当然のこと。
宮城県、静岡県、茨城県が有観客開催の方針を示しているが、市民が強い反対意向を示すだろう。

チケット保有者は県内在住者に限らない。
首都圏から大規模人流が発生する。
直行直帰に法的拘束力はない。
間違いなく有観客開催県で感染が拡大するだろう。

中途半端なことをせずに完全無観客を決定すべきだ。
五輪スポンサーが接待観戦を強行すれば市民の総スカンに遭うだろう。
当該スポンサーに対する激しい不買運動が広がることになる。

IOCのバッハ会長に対して市民デモが挙行されたが当然のこと。
誰1人バッハ氏を歓迎する者はいない。
日本国民を踏み台にして自己の利益増大を図る。
日本が緊急事態宣言の下に置かれるなかで優雅な滞在を楽しむ神経を日本国民の誰も理解することができない。

五輪を無観客開催にするのであるから、IOCなどの五輪関係者観戦も取りやめるべきだ。
最低限のマナーだ。
天皇は五輪開催に疑念を示した。
このことを批判する者がいるが、そもそもの問題は天皇を東京五輪の名誉総裁に担ぎ出していること。

天皇の政治利用に他ならない。
名誉総裁に担ぎ出しているなら、天皇が五輪について見解を表明することを妨げることは矛盾している。
天皇の開会式への出席要請を取り下げるべきだ。

組織委員会は「バブル方式」と称しているが、世界各地からの選手、関係者が全国各地に移動して滞在している。
海外から持ち込まれた変異株が日本中に拡散されることは避けようがない。

L452R変異株が感染の中心に置き換わる様相を示している。
L452Rは東アジアの人種が保持する免疫能力をすり抜ける可能性が指摘されている。
さらに、より危険が高いとされる南米由来のF490S変異株が流入する。
ワクチン効果にも疑問符が付く。

昨年12月にファイザー社製のワクチン有効性が95%と発表され、この数値が1人歩きしているが、この検証ではワクチン接種を受けた治験者多数にコロナ感染疑いが存在していた。
しかし、その疑わしい人々にPCR検査が実施されていない。
これらの疑わしい人がコロナ陽性だとすると有効性は19%にまで低下する。

アストラゼネカ社製ワクチンの南アフリカ変異株に対する有効性検証では10.4%との学術論文が提示されている。
ワクチン有効性は著しく低い可能性がある。

他方で、日本でのワクチン接種後に7月2日までの時点で555人が急死していることが判明した。
極めて多数の人がワクチン接種後急死している。

接種を受けた人は3,000万人強。
ワクチン接種後急死確率は0.0018%にまで上昇している。
コロナ死確率0.01%と比較してもかなり高い数値だ。

インフルエンザワクチンの場合、2018~19年シーズンでは接種回数5,200万回でワクチン接種後急死者はわずか3人。
新型コロナワクチン接種後急死者が異常に多いことがわかる。

五輪開催強行下での緊急事態宣言では効果がまったく発揮されないだろう。
飲酒提供、深夜営業事業者が激増することが予想される。


▼関連リンク
植草一秀の『知られざる真実』

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