新大牟田駅前に広域交流の拠点を

大牟田市長 関好孝 氏

 九州新幹線・新大牟田駅前で進む「賑わい交流用地」開発事業。市街化調整区域に新たな商業・サービス機能を整備し、市内外からの交流人口を呼び込む広域拠点づくりが本格化している。約2.65haの一体開発を民間提案型で進める今回の取り組みについて、規制緩和や着工期限の狙い、市の将来像に至るまで、大牟田市長・関好孝氏に、その想いとビジョンを聞いた。

駅前の可能性と狙い

大牟田市長 関好孝 氏
大牟田市長 関好孝 氏

    ──今回の「新大牟田駅賑わい交流用地」開発事業をどのように位置づけていますか。

 関 大牟田市は、福岡県の南部、福岡都市圏と熊本都市圏の中間に位置し、鉄道や幹線道路、港などの公共インフラが充実しており、化学産業を中心とする県内有数の工業都市として、福岡県南・熊本県北地域の中心的な役割を担っています。

 近年、急速な人口減少や少子高齢化など、社会情勢が著しく変化していくなか、大牟田市では、都市計画マスタープランにおいて、都市の将来像として「住み・働き・にぎわう持続可能な快適環境都市」を掲げ、コンパクトなまちづくりを進めています。このなかで新大牟田駅周辺については、2011年に開業した九州新幹線新大牟田駅に加え、九州自動車道、有明海沿岸道路の主要幹線道路の結節点として、非常に優れた広域交通拠点となっています。

 こうしたポテンシャルを活用し、「賑わい」や「産業の多様化」を創出する都市空間の形成・都市機能の充実を図るため、新大牟田駅の南側エリアに、新大牟田駅産業団地として、企業立地の受け皿となる「産業用地」とともに、新大牟田駅周辺エリアにおける商業・サービス機能の充実に向けた「賑わい交流用地」の整備を進めてきたところです。

 「賑わい交流用地」では、飲食や物販、宿泊機能などの商業・サービス機能の充実を図り、ビジネス・観光等の来街者の利便機能の向上、広域的なエリアからの新たな交流人口の拡大を図り、周辺地域の皆さまの生活機能の充実を図るとともに、市内に新たな広域交流拠点を創出したいと考えています。

市民と来訪者の接点に

 ──新大牟田駅前を「どのような拠点」に育てたいのか、市長が描く具体的なイメージを教えてください。

 関 大牟田市には、大手化学メーカーをはじめ多くの企業が立地しており、年間を通じて多くのビジネス客がお越しになっています。また、大牟田市動物園をはじめ、世界遺産である三池炭鉱関連施設などの観光資源も有しています。賑わい交流用地は、新幹線新大牟田駅はもちろんのこと、南関ICや大牟田北ICなどの高速交通道路ネットワークに近接した幹線道路に面していることから、市内外から多くの方が訪れる魅力的な場所にしていきたいと考えています。

 また、コンパクトなまちづくりを進めるうえで、地域にとっても利便性のある充実した機能をもつ拠点にしていきたいと考えております。

自由度ある開発へ転換

 ──今回、民間提案型(公募型プロポーザル)とし、さらに一体開発(約2.65ha)・規制緩和を行った狙いは何でしょうか。

 関 「賑わい交流用地」の開発につきましては、民間事業者がもつさまざまなノウハウを生かした提案を期待し、また、一体的な開発コンセプトを実現するため、3区画一括提案によるプロポーザル方式としております。

 また、今回の開発エリアは、市街化調整区域であることから、地区計画を定め、整備を進めてきましたが、当初、飲食店や店舗等の延床面積は上限3,000m2としていました。その後、不動産デベロッパーの皆さまから、店舗の延床面積の緩和を行うことで、大型店舗や複数テナント誘致が可能となり、魅力的な店舗づくりにつながるとの意見をいただきました。それを踏まえ、できる限り民間事業者に自由度をもって開発を行っていただくために、今年1月に、延床面積上限1万m2へと規制緩和を行ったところです。

 ──着工期限18カ月という明確な期限を設けたことに、市としてどのような覚悟やメッセージを込めていますか。

 関 新大牟田駅周辺の開発は、市民や経済界、企業の皆さまなど、多くの方々に期待していただいている事業です。そのため、駅前一等地の遊休化を防ぎ、計画的な開発を進めていただくことを期待し、一日でも早い実現に向け、売買契約後18カ月以内に着工期限を定めさせていただいています。

 そのため、公募にあたっては、2025年9月1日から募集要項を5カ月にわたり公表したうえで、今年2月2日より募集(募集期間2カ月間)を開始したところです。

 また、開発事業者からの提案にあたっては、開発事業のコンセプトとともに、事業スケジュールや類似事業の実績などの事業計画の実現性についても審査項目としております。

将来像は“にぎわいの創出”

 ──この事業が実現した先に、大牟田市はどのような都市になっていてほしいとお考えですか。

 関 大牟田市は都市の将来像として「住み・働き・にぎわう持続可能な快適環境都市」を目指しております。「広域交流拠点」として位置付ける新大牟田駅周辺のまちづくりが活性化し、周辺地域の生活機能の充実や、ビジネス・観光等の来街者の利便機能の向上、広域的なエリアからの新たな交流人口の拡大が図られることにより、市内外の方々が集まり、賑わいが創出されている都市空間が形成されることを期待しております。

 こうしたことを踏まえ、事業者の皆さまにはぜひ、本市の発展につながるような魅力的で持続可能なご提案をお願いしたいと考えております。

【内山義之】


<プロフィール>
関好孝
(せき・よしたか)
1959年1月、大牟田市出身。早稲田大学政治経済学部を卒業後、82年に福岡県庁に入庁。商工部商工政策課長や人づくり・県民生活部 私学振興・青少年育成局長、環境部長などを歴任し、2019年3月に福岡県庁を退職、同年6月に(一財)九州環境管理協会の副理事長に就任。同年11月の大牟田市長選に出馬し初当選、23年12月には無投票で再選し、現在2期目を務める。

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