2021年12月03日( 金 )
by データ・マックス

突然の社長交代 五洋食品産業に何が起きているのか(10)

ファンドと舛田氏の攻防に決着

五洋食品産業 三井物産は10月15日、TOB(株式公開買付け)により五洋食品産業を買収することを表明。五洋食品産業は同日の取締役会で賛同の意見を表明し、株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを決議した。買収額は約13億円。

 三井物産は、前社長で2位の株主である舛田圭良氏が現在所有する株式(12.96%)以外のすべての取得を目指す。五洋食品産業の株主を三井物産と舛田氏のみとし、五洋食品産業を非公開化するための取引の一環としてTOBを実施する。

 三井物産は本日付けで、舛田氏との間で、同氏が本公開買付けに応募しない旨、および同氏と共同で議決権を行使する旨の合意を含む株主間契約を締結した。

 また筆頭株主のイノベーション・エンジン食品革新投資事業有限責任組合、3位のFP成長支援A号投資事業有限責任組合、4位のFPステップアップ支援投資事業有限責任組合、およびイノベーション・エンジン(株)との間で、それぞれ所有する株式のすべて(合計52.31%)を、本公開買付けに応募する旨の公開買付応募契約も締結している。

 8月27日の株主総会で、ファンド側が五洋食品産業の役員選任案に対して修正動議を提出。社長だった舛田氏が解任される事態となり、少数株主を無視したファンド側の強引な手法に批判の声が挙がっていた。ファンド側は強硬策で予定企業への売却を目指したが、交渉が不調に終わったことで、一転して三井物産・舛田氏連合への売却を決めた模様。

 敵対的買収の危機に晒された五洋食品産業を、ホワイトナイトとして三井物産が救った格好だ。大株主が三井物産と舛田氏のみになるため、TOB成立後は同氏が経営陣に復帰する可能性が高い。

(つづく)

【緒方 克美】

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