2022年05月18日( 水 )
by データ・マックス

経営者が知っておくべきDX「街道とDX」

 今回からはシリーズで、経営者が知っておくべきDX(デジタル・トランスフォーメーション)の在り方をいろいろな観点から捉えていきたいと思います。今回は街道=主要交通システムという観点から、まちづくりと事業成長の関係性を紐解いていきます。

 街道の価値は社会の動脈であることです。ひとやものの移動を支え、経済・文化の発展を支える主要交通システムであり、都市政策・まちづくりの要です。現代では高速道路、鉄道、海路や空路をといったかたちに進化しています。一方で環境負荷、公害、人口過密、過疎化などの社会問題の集積点としての側面ももっています。

 SDGsなども鑑みると、主要交通システムは単純に開発・拡大するだけではなく、関連する社会問題解決も考える必要があります。それは行政だけでなく、地域の不動産業や製造・流通業、サービス業、生活者としても考えるべきことです。では、いかに取り組んでいくべきでしょうか。そのキーワードがDXです。

 まず経済ではなく“ひとの豊かさ”を中心に置くこと。そして、透明性・俊敏性・全体性について、デジタルの視点でとらえ直すことが必要です。

透明性の視点
街道・主要交通システムの利用実態をデータで把握する

俊敏性の視点
データに基づき、必要施策を柔軟かつ俊敏に周辺地域を含めて実施する

全体性の視点
周辺地域の社会活動を、街道・主要交通システムを起点に描き直す

 実践レベルでは、街道・主要交通システムに関わる利害関係者でコミュニティを形成し、デジタルを前提に自律的に社会問題解決に取り組み、街道のブランド価値を高めることが必要です。とくに、次の(1)~(5)の地道な繰り返しが重要です。なお、こうしたデータを取得する仕掛けは、たとえば政府のRESASなど、すでに利用できる環境もあります。

(1)場づくり
  周辺地域を含め、利害関係者同士のオンラインを含む対話の場をつくる

(2)共通理解
  周辺地域を含め、データに基づく問題意識とビジョンを共有する

(3)共創実践
  問題解決に向けて、先端技術などを活用しながら共創活動を実践する

(4)知の蓄積
  実践で得た知恵をデータ化し、利害関係者が利用できるようにする

(5)価値検証
  街道・主要交通システムの状況をデータ化し、施策効果を分析する

 企業経営の観点で見ると、街道・主要交通システムのDXに関わることで事業に影響するデータを外部からも獲得し、早期の課題対応・機会獲得が可能になります。たとえば、不動産開発や出店計画、流通最適化、人員計画などに先手で動くことができるのです。資産価値を高めることも期待できるでしょう。

 街道・主要交通システム、さらにはそこから派生する社会問題解決、まちづくりといったキーワードは、企業経営から遠く感じるかもしれません。しかしながら、DXを念頭に組み上げれば事業基盤の強化につながり、結果的に、非常に有用な事業成長機会につながるのです。


<プロフィール>
渋谷 健
(しぶや・たけし)/フィールド・フロー(株) 代表取締役
外資系コンサルティングファーム、国内ベンチャー、国内大手企業経営戦略室を経て2014年にフィールド・フロー(株)を設立。「事業に脚本を」をコンセプトに、戦略立案からシステム開発や人財育成までを総合的に提供するオープン・イノベーション実践活動を全国展開。経済産業省・農林水産省などの政策事業、北九州市・宮崎県などの地方創生事業、大企業・金融・ベンチャーなどの民間事業に、プロの事業プロデューサー/ファシリテーターとして関わる。

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