2021年12月08日( 水 )
by データ・マックス

半導体メモリに過度に依存する韓国(後)

半導体全体ではまだ韓国の影は薄い

半導体 イメージ 半導体は大きく分けて2つある。1つは半導体メモリで、もう1つは非メモリ半導体。非メモリ半導体に関連する産業には、ファブレス(半導体設計会社)とファウンドリ(半導体製造の受託専門会社)がある。非メモリ半導体は付加価値が高く、市況に左右されることが比較的少なく、安定的な収益を確保できるビジネスである。

 ファブレスについては、クアルコムやNVIDIAなど米国企業が市場を席捲しているが、台湾でもメディアテックやノバテックといった企業が成長しており、中国でもファーウェイの子会社ハイシリコンなど多数の企業が存在する。しかし、韓国ではファブレス企業の育成に失敗している。世界に通用するファブレス企業がほとんどなく、今後の課題である。

 非メモリ半導体の市場規模は半導体メモリ市場の約2倍で、高度の技術が要求されるだけに参入障壁が高い。韓国は非メモリ半導体市場において、まだ影の薄い存在である。韓国の非メモリ分野の世界市場シェアはわずか3.2%で、10年間停滞している。

 韓国企業が半導体産業に足を踏み入れた1970~80年代には、投資後すぐに成果が出る半導体メモリに注力し、一方、莫大なコストがかかり、高い技術と長い年月を必要とする非メモリ半導体については疎かにしてきた。その結果が今の状況を生んだ。

 最近、韓国でも国を挙げて非メモリ半導体事業の強化を目指している。その背景には、中国の追い上げで、韓国はメモリ分野で競争力を失うのではないかという強い危機感がある。韓国はメモリ分野で圧倒的なシェアを誇るが、中国の官製ファンドを通じた巨額投資などによる猛追を警戒している。

▼おすすめ記事
インテルのファウンドリ市場「再進出」は成功するか?(前)

 非メモリ分野のファウンドリ事業で、サムスン電子は台湾のTSMCに次いで2位につけている。しかし、1位との差はなかなか縮まらない。TSMCは毎年30兆ウォン前後を投資しているが、サムスン電子は10兆ウォン前後にとどまっているという。非メモリ分野に強い台湾企業が年37%の成長を遂げているのに対し、韓国企業は年13%であり、成長率の差が如実に表れている。

メモリ市場の展望は明るくない

 DRAM Exchangeによると、パソコン向けDRAM汎用製品(DDR4 8Gb)の9月の固定平均取引価格は4.1ドルを記録した。この価格は7月以降変動がなく、横ばいとなっている。

 このように半導体メモリ価格がピークを過ぎたという予測が出ているなか、台湾の調査会社トレンドフォースは、2022年にDRAMの価格は最大で約20%下落すると予測している。

 しかし、市場には別の見方もある。次世代DRAMであるDDR(Double Data Rate)5への代替需要が発生するため、半導体メモリの需要は堅調に推移するという予測だ。加えて、ポストコロナの期待を集めているメタバース(Metaverse)ブームは、半導体メモリの需要増加につながるといわれている。第4次産業革命が起こることによって、クラウドサービス、メタバースなどの新しい需要が喚起されることから、半導体メモリの需要が増加するという主張である。

 半導体メモリの価格動向は韓国経済にとって重要であり、その動向が注目されている。

(了)

(前)

関連記事