リッツ・カールトン開業でどう変わる?雑多さ魅力・若者のまち「福岡・大名」(後)
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さまざまな要素のカオスな魅力が混在(つづき)
一方の南側にあたる大名1丁目は、路地裏に多くのアパレル・飲食店が軒を連ね、いわゆる若者のまち・大名のイメージにドンピシャのエリアだ。天神西通りに近い東側エリアに行くほど、メジャーなブランドの店が多く、建物も先鋭的なデザインのビルが多くなり、逆に西側エリアに行くほど個性的な小規模店舗が増え、建物もやや築年数の高い雑居ビルなどが増えてくる印象だ。また、近年は雁林町通りを中心に多くの韓国料理店などが軒を連ね、福岡における「コリアンタウン」の様相も呈してきている。
さらに、17年4月に大名小学校の本校舎建物を再活用するかたちで官民共働型のスタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next」が開業したことや、18年12月に「WeWork大名」が開業した影響もあって、近年は大名エリア内にIT系のスタートアップ企業が多数集積しているようだ。非福岡本社のスタートアップ企業が拠点を構えるケースや、創業の地として大名を選ぶケースなどさまざまだが、ビジネス面でも大名は「若者のまち」と言っても過言ではないだろう。
こうして見る限り大名エリアは、官公庁施設から金融街、オフィス街、ファッション店街、商業施設、飲食店街、コリアンタウン、スタートアップ企業集積地、さらには下町的な雰囲気など、実にさまざまな要素を内包している。エリア内の建物にしても、大名小学校本校舎やジョーキュウ醤油などの歴史を感じさせる建造物や、古めかしい雑居ビルやアパートなどがある一方で、コンクリート打ちっぱなしで外構部がガラス張りのデザイン性の高いビルや、一見アート作品のような意匠が施された個性的なビルなど、多種多様だ。洋の東西も、新旧も、清濁も、さまざまな要素・魅力がカオス的に混在しながらも、全体として「大名」というある種のエリアブランドをつくり上げているのが、このまちの魅力だといえるだろう。
【坂田 憲治】
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