九州をひとつの塊としてネットワーク化、Qから始まる「九州ワークスタイル」
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岡 「共創」という多様な職種の人々が1つの空間をシェアすることは、まさにコワーキングですね。最近、日本の同調圧力について話題になりました(※)が、同調行動は枠にはまると効率的ですが、逆の場合は、共創=異質なもの同士が認め合い、コミュニケーションのなかで生み出していくしかない。異質なほど、コミュニケーションを取ることは大変なことですが、混じり合うことで生まれる価値は、想像を超えると思います。これがコワーキングの面白さですね。
※10月5日、米国プリンストン大学上級研究員・真鍋淑郎氏がノーベル物理学賞受賞決定後の会見で、記者からアメリカ国籍取得の理由を聞かれ、「日本人はまわりを気にして生きている。しかし私には周囲に同調して生きる能力がないのです(英語スピーチにて)」と答えたことが波紋を呼んだ。
――コワーキングの文化は今後、どのように広がるでしょうか。
坂口 コロナ禍でソーシャルディスタンスを取りながら経済を動かしていくには、地方と地方でつながる必要があると考えます。それはインターネット的に、自由に行き来できる選択肢をもち、物理的距離よりも精神的距離のほうがとても重要になってくる。思いを同じくする人同士の、距離を超えたつながりが広がって行くことに期待しています。
岡 要は、精神的距離が近ければ選ばれやすくなるわけですね。たしかに、ちょっと遠くても馴染みの店に行くとか、知り合いがいるからリピーターになったりします。九州はコンテンツが充実しているし、九州人というだけでも精神的近さがあるし、九州を1つの塊で見ることで、さらに魅力が増すと思います。
馬渡 大分へ移住するようになってから、コンビニのイートインスペースで仕事を行うこともありますが、東京に比べ、九州にはコンセントが使える場所がまだまだ少ないと感じます。ですから、いろんな人の働く場所を増やしたいという思いで2年半前に立ち上げた九州アイランドワークでは、将来的に九州全域で300カ所以上の分散型ワークプレイスの設置を目指しています。環境が整った働く場所の選択肢が増えることで、テレワークの普及や、ワーケーションといった新しい働き方も広がっていくと思います。
【松本 悠子】
<登壇者プロフィール>
岡 秀樹(おか・ひでき)
(株)HOA 代表取締役/(一社)まちはチームだ 代表理事
学生時代ロンドンにおいてシェアリングビジネスで起業する。2014年コワーキングスペース秘密基地を設立。建築、まちづくり、創業ビジネススクール、デジタルマーケティングおよびDXなどのコンサルティングの事業を行う。坂口 修一郎(さかぐち・しゅういちろう)
(株)BAGN 代表取締役
1971年鹿児島生まれ。2010年より野外イベント「グッドネイバーズ・ジャンボリー」を主宰。(株)BAGN(BE A GOOD NEIGHBOR)代表として、東京と鹿児島の2拠点を中心に、ジャンルや地域を越境しながら多くのプロジェクトを手がける。馬渡 侑佑(まわたり・ゆうすけ)
九州アイランドワーク(株) 代表取締役社長
大学卒業後、ITベンチャー、コンサルティング会社を経て、チームラボに入社し、教育プロジェクト「学ぶ!未来の遊園地」の立ち上げに従事。その後、大分県竹田市に移住し、現在は九州アイランドワーク(株)にて、分散型ワークプレイスを運営する。法人名
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