2022年05月28日( 土 )
by データ・マックス

【日本経済を支える】建設産業だからこそデジタル化を~ANDPADが生み出す最効率(後)

(株)アンドパッド
代表取締役社長 稲田 武夫 氏

 大型都市の再開発が首都圏や大都市を中心に行われ、国内の建設業界は商業・住宅ともに好調傾向にある。同業界は日本経済を支える基幹産業である一方、人材不足の問題などを中心に所得水準の低迷、ダンピングなどの課題も多い。国土交通省は諸問題解決に向け業界のDX化を推進している。クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」を運営している (株)アンドパッド、建設業界のDX化に取り組む同社代表取締役社長・稲田武夫氏に話を聞いた。

 ──ANDPADの特徴を教えてください。

 稲田 ANDPADの特徴の1つは、現場情報のストックとコミュニケーションが一元化していることにあります。たとえば、チャットツールはさまざまありますが、現場の情報がちゃんと整理されていても、別システムでの運用だと、現場データとチャットの履歴は別管理になってしまいます。仮にそこでのやり取りを連携させ記録するためには、別の作業が必要になり手間も増えます。

 一方で、現場データとコミュニケーションのデータが連携した記録は、会社としての資産になります。通常であれば、本当に必要最低限のデータしか残っていない状況が多いです。

 そこでANDPADを利用することで、施工の履歴や図面データの各バージョンなども含めたうえで、取引先とのやり取りや受発注データ、品質検査のデータなどのプロジェクトにかかわるデータ資産を残し管理することができます。

 ストレスないコミュニケーションと情報ストックを連動させることができる、これがANDPADの大きな特徴の1つです。

ANDPAD

 ──カスタマーサクセスは具体的にどのようにされますか。

 稲田 建設業界向けのIT技術を開発するうえで2つの注意点があります。

 ITに詳しく、建設とくに現場の状況がわからない人材だけで開発するとニーズに沿わない製品になりがちです。逆に、建設業界出身の方や自社で施工しながらITプロダクトを開発する場合などは自社業務の流れにのみ沿った製品になってしまうなど、汎用性に欠けがちです。

 だからこそ、両方の環境を理解し、状況に寄り添いながら、ともに開発・調整していくことが重要です。ITと建設業界の間の理解を両立させるのは、容易ではありません。だからこそ、当社が同業他社さんにも負けない優位性をもっているところだと思っています。

 フォロー・リードとは、既存会員さまへの単なる説明サポートではありません。アンドパッドでは、年間延べ6.5万人ぐらいの職人さんに使い方を直接レクチャーし、お客さまの業務改善をサポートしています。

 経営者や現場のキーマンの方だけが使えるアプリではあまり意味がありません。実際の現場の人もストレスなく使えることが重要です。そこのサポートまで一緒に行うのが当社のカスタマーサクセスといえます。

(株)アンドパッド 代表取締役社長 稲田 武夫 氏
(株)アンドパッド
代表取締役社長 稲田 武夫 氏

    ──建設業界でのDX化が国交省などからも推進されており、同業他社も徐々に増えてきました。他社との違いはどのような部分にあると思われますか。

 稲田 建設業は実にさまざまな業種があります。「すべてに共通してこの施工管理アプリが運用できる」ということは、基本的にありません。その企業や業界、果てまではプロジェクトや現場によってどの機能を活用するかが重要になってきます。

 当社のシステムは、機能の数が圧倒的に多いですが、全機能をすべてのお客さまが活用しているわけではありません。お客さまの業態に合わせて、機能をチョイスできる仕組みですので、ニーズに合わせて選んでいただけます。

 また、新機能も開発・改修を日々行っています。開発メンバーも多く在籍していますので、圧倒的なスピードでお客さまの課題を解決するシステムを提供しています。そういうところが一番大きな違いです。

 もう1つはセキュリティの高さです。多くの情報を一元化し、価値ある情報資産を扱う以上、セキュリティには十二分に気を付けています。二要素認証を導入しているほか、フォルダ権限設定なども設けており、安心してご利用いただけるように取り組みを進めています。

 あとはサードパーティアプリとの連携にも力を入れています。各企業さま、さまざまなシステムを利用していると思います。データを一元管理するためには、環境がつながっていることが重要です。ANDPADアプリマーケットでは、営業・会計・遠隔臨場などさまざまなシステムとANDPADが連携しご利用いただけるようになっていますし、連携していただけるパートナー製品はどんどん増やして行きたいと考えています。

 また、ANDPADをベースにしながら、お客さまと一緒に、パートナーとなって機能開発を行うこともあります。共にその業界にフィットした追加のオプション機能開発の作成を行っていきます。お客さまにもご協力いただき、私たちはその協力を基に、さらに良いシステムを開発・提供します。

 お客さまの立場から見ると業務が楽になるメリットがあり、私たちはお客さまに都度、相談しながら開発することができます。開発をするうえで、お客さまからいただく課題感等のご意見は、より良いものをつくるために重要です。

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 建設業、とくに専門工事業態ではピタッとハマるシステムの既製品はありません。「あったら欲しいな」をともに実現してこそ、価値が生まれます。

 アンドパッドは、製品の始まりから今に至るまで、そしてこれからもお客さまとともに課題解決に取り組んで行きます。デジタル化したいと思ったら、まずアンドパッドに相談したいと思ってもらえるように成長を続けていきます。

(了)

【麓 由哉】


<プロフィール>
稲田 武夫
(いなだ たけお)
慶應義塾大学経済学部卒業後、(株)リクルートにて人事・開発・新規事業開発に従事。2014年(株)アンドパッド(旧・オクト)設立、「現場監督や職人さんの働くを幸せにしたい」という思いで、建築・ 建設現場の施工管理アプリANDPADを開発。スマートフォンを中心に、利用企業数13万社、ユーザー数33万人のシェアNo.1施工管理アプリに成長。全国の新築・リフォーム・商業建築などの施工現場のIT化に日々向き合っている。Forbes JAPANの「日本の起業家ランキング 2022」にて3位に選出。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:稲田 武夫
所在地:東京都千代田区神田練塀町300
設 立:2014年
資本金:63億593万円(資本準備金含む)
TEL:03-6831-4550
URL:https://andpad.co.jp/

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