2022年05月24日( 火 )
by データ・マックス

相次ぐ暴落、大荒れの仮想通貨市場(前)

日韓ビジネスコンサルタント
劉 明鎬 氏

仮想通貨市場に激震

 「IT強国」の韓国では、若者を中心に仮想通貨投資への関心が高い。スマホにアプリをダウンロードすれば、たとえ金額が少なくても仮想通貨への投資ができるため、そこに魅力を感じて投資をスタートした人も多かった。とくにコロナ禍で就職口を探すのも大変な時期なので、「何とかしてお金を稼ぎたい」と考えて投資を始めた人が多かったようだ。

 実際、仮想通貨への投資で、数十億ウォンの資産を形成して会社を辞めた人の記事を目にすることもあった。このように仮想通貨への投資に自身の運命を託す人が増えている状況下にあって、ここ数日、仮想通貨が急落し、市場に動揺が広がっている。

 2021年11月に最高値を記録した仮想通貨の代表格「ビットコイン」だが、その後、暴落を繰り返し、最高値から50%以上値を下げている。今回の暴落でビットコインは一時4,000万ウォンを下回るようになった。4,000万ウォンを下回ったのは昨年8月6日以来6カ月ぶりのことだ。

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 投資は余裕資金で行うのが基本だが、韓国では、銀行からお金を借りて仮想通貨に投資した人が相当数存在する。現在の市場の状況に、損切りするのが良いか、このまま保有するのが良いか、投資家は悩みを深めている。一部の専門家は「仮想通貨の暴落は序の口にすぎず、これからもっと暴落する可能性もあるので慎重を期した方が良い」とアドバイスする。

暴落の原因は

 仮想通貨市場は、歴史が浅く、値動きの幅も大きいため、常に暴落のリスクがあることを頭にいれて投資をした方が良い。しかし、価格上昇時にそうしたリスクを想定するのは難しい。

 それでは、なぜ仮想通貨が暴落したのか、その原因を探ってみよう。第一に、連邦準備制度理事会(FRB)によるアメリカの政策金利の利上げとバランスシート縮小への懸念が仮想通貨に影響していると思われている。

 米国のインフレ率上昇により、世界経済全体で物価上昇圧力が高まっている。このような状況下、FRBが2022年に3回の利上げを行うと予想されており、年末までに0.25%から1%まで引き上げられるとみられている。また、利上げとともにバランスシートの縮小による「流動性の吸収」を急ぐと見られている。

 利上げは消極的に通貨の流通量をコントロールすること。一方、バランスシートの縮小はもっと積極的に通貨の流通量を減らすことを意味する。市場から通貨の流通量が減ると、仮想通貨市場にとっては急落の要因となり得る。現在の金融正常化の動きは、仮想通貨市場だけでなく、株式市場全体に悪影響を与えており、米国のハイテク技術企業を中心とした株価が連日のように値を下げている。

(つづく)

(後)

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