2024年04月24日( 水 )

「フル規格化」へ課題も、西九州ルートが今秋一部開業(前)

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今秋開業の西九州新幹線に投入される「かもめ」。同型車両は20年7月、東海道新幹線で「のぞみ」としてデビューした(=山口県下松市の日立製作所笠戸事業所)
今秋開業の西九州新幹線に投入される「かもめ」。
同型車両は20年7月、東海道新幹線で「のぞみ」としてデビューした
(=山口県下松市の日立製作所笠戸事業所)

【武雄温泉駅】泉都の新幹線駅が連続

 九州新幹線西九州ルートは博多~長崎の延長140km。武雄温泉~長崎は西端の66km。最高時速260kmの新幹線「かもめ」で20分程度の短い旅。今春、試運転が始まる。停車駅は武雄温泉、嬉野温泉、新大村、諫早、長崎の5つ。奈良時代初期に編まれた「肥前風土記」に登場する泉都の新幹線駅が連続する、全国でも類例がない路線となる。

 博多方面からの在来特急・リレーかもめの乗客は、武雄温泉駅の同じホーム対面で待つ新幹線「かもめ」に移る。駅舎の前後区間約3.1kmは、佐賀県、JR九州、武雄市が98年度から10年度に総額115億円投じて鉄道を高架化していた。

 武雄市は新幹線開業に併せて、武雄温泉駅北側の県道沿いエリア9haを土地区画整理事業で整備、19年12月に換地を終えた。老朽化した市庁舎も駅南口(御船山口)近くに移転し、20年5月にオープンした。市の人口は4万8,000人。「西九州のハブ都市」を目指し、新幹線高架下の公共空間や駅近くの公園の活用を計画。夏までに駅南口の広場を整備していく予定だ。

 なお、武雄温泉駅は、ハウステンボスや陶都・有田町に延びる佐世保線との分岐駅でもあり、佐世保線の長崎県区間は約14億円を投じてレールの継ぎ目を減らすロングレール化を進めており、新幹線開業に合わせ高速の特急を投入し、博多-佐世保は8分短縮の94分となる。

嬉野温泉駅は91年ぶりの鉄道復活のシンボル。駅東口(温泉口)側では左手の国道34号線と挟まれたエリアで「道の駅」や外資系の宿泊特化型ホテルなどを整備するための造成工事が急ピッチで進む(=嬉野市嬉野町下宿)
JR佐世保線の在来駅と併設する武雄温泉駅の南口(御船山口)。
駅北側の武雄温泉街の入口に立つ国重要文化財の
「楼門」をイメージしている(=武雄市武雄町)

【南里 秀之】

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