改めて知っておきたい福岡市の自転車用道路
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自転車用道路の目的とは
内閣府が隔年で実施する「駅周辺における放置自転車等の実態調査」において、天神地区の放置自転車の台数が2001年および03年と2回連続で全国ワースト1の汚名を受けた。このことから福岡市は04年7月、「福岡市自転車利用総合計画」を策定。これは、当初は放置自転車を減らすことを目的としていたが、健康志向などの高まりなどを受け、「福岡市自転車活用推進計画」へ発展させた。こちらは、自転車の利用環境を向上させるとともに、自転車を楽しめるまちづくりに取り組み、福岡市の魅力を高め、「人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市」を目指すことを目的としている。
自転車用道路整備はこの一環として行われ、21年度から24年度までの4年間実施される。自転車用道路は、14年3月から23年3月までの10年間で160km整備される予定で進められており、22年度までに122.7km(達成率76.7%)が整備される見通し。これにより福岡市は、19年に年間1,770件だった自転車関連事故を、年間1,600件まで下げたい考え。また、市政に関するアンケート調査で、安全性や走行性の満足度を18年の16.7%から25%まで引き上げることを狙っている。
(gazo7配置)現状の自転車の運転マナーを見る限り、まだまだ目に見える効果が上がっているとは言い難いが、福岡市は取り組みとして、市立の小学校、中学校および高等学校において、自転車の安全利用に関する教育、啓発および指導を行っている。自転車通学を許可している学校においては、自転車運転免許証を交付するなど、自転車の安全利用を確保する措置を講じるよう努めている。その他、学校での自転車教室や、地域や企業に出向いての出前講座の実施などにより、自転車の安全利用に関する教育、啓発に取り組んでいるという。
自転車用道路で自転車通勤はしやすくなるのか
実際に自転車用道路を使って通勤したうえでの所感としては、走行は快適だった。自動車の左折時に自転車への幅寄せがほとんどない。何より大きいのは自転車の逆走がほとんどないことだ。
自転車用道路は側溝も整備されているので、コンクリート蓋つきU型排水溝の上やグレーチングの上を走る必要がない。ゴトゴトと縦揺れに備える必要もないのだ。少し残念なのは、バイクに追われるところか。原付でも時速30kmで走れるので、普通の自転車の速度(時速15~20km)では、たちまち後ろに付かれてしまう。車道が混んでいる場合など、バイクにずっと後ろに付かれるプレッシャーは気持ちの良いものではない。法律的には原付やバイクも走っていいのだが、自転車を追い回す必要はなく、ここはモラルの問題といえるだろう。
(了)
【外部ライター・奥野 晃一】
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