2022年06月25日( 土 )
by データ・マックス

中国の若者は何にお金を使っているか

中国 桂林 ファッションスタイルストリート イメージ 1人用鍋の売上増加率が110%を超え、国潮(中国伝統の要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド)のスウェットパーカーの売上増加率は500%を超え、お菓子の入ったブラインドボックスの売上高増加率は670%を超えた……消費市場のなか、若者は常に消費トレンドの最前線に立っている。

 中国国家統計局がこのほど発表したデータによると、今年1-11月の社会消費財小売総額は2けたの増加率を維持し、オンライン消費ニーズが引き続き活発で、消費市場には引き続き回復傾向が見られた。消費回復の勢いは強まり、それにともなって「95後(1995~99年生まれ)」と「00後(2000年代生まれ)」が徐々に消費の中心層になり、消費の新たな変革を引き起こしている。

多様化・個性化した消費が力強いポテンシャルを発揮

 現在、各種の新消費層がより多様化し、さらに多くの個性化した新消費トレンドが絶えず登場している。京東がこのほど発表した研究報告書「小売業界消費トレンドの新主張2022」によると、「核家族」「ものぐさ経済」「シングル経済」「シルバー経済」およびここから派生したペット経済、顔面偏差値経済などが持続的かつ急速に発展し、力強い消費のポテンシャルを発揮している。

 消費高度化の過程で、市場は家庭、性別、年齢、収入など複数の角度によって細分化が進んだ。京東の売上データを見ると、「ものぐさ経済」の商品がたくさん登場し、家事シーンにおいて、ここ2年ほどは関連商品全体の増加率が7倍以上になり、なかでも掃除用品の「使い捨て、洗浄不要」など細かなニーズに対応した商品の増加率が22倍を超えた。「高齢化への対応」をめぐって、一部の商品がコンセプトから現実のものになる動きが加速し、たとえば座ったままでお風呂に入れる入浴設備の増加率が120%に迫り、スマートセンサー灯や高齢者向け便座などの商品の増加率も200%を超えた。一人暮らしの人や「こだわりのコンパクトハウス」に住む人の割合が徐々に増加して、1人用鍋や1人用ビーズソファの売上増加率がともに110%を超え、度数の低いアルコール飲料も消費者が1人の時間を楽しむ「癒やしの神アイテム」になった。

 京東集団副総裁で京東小売集団プラットフォーム業務センター責任者の林琛氏は、「ポストコロナ時代には、消費構造の高度化、感染症のなかでの消費の変化、技術がもたらしたイノベーションなどがすべて消費市場によりペースの速い世代交替をもたらすことになる。消費者のニーズや消費に関する主張がより多様化していることも、消費シーンをより豊富にし、ニーズをより多様にし、行動をより差異化して、新消費トレンドの下でのバリューチェーンのルートが再構築されているところだ」と述べた。

市場に新たな活力を注入する「95後」と「00後」

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 これと同時に、「95後」と「00後」をはじめとする若い消費者が徐々に市場の主役になってきた。ブラインドボックス、スニーカー、国潮、エレクトロニック・スポーツ(eスポーツ)、猫ブーム……若者の体験感、個性化、多様化、文化的アイデンティティへの関心の高さが、市場に新たな活力を注入している。

 国潮の審美眼に牽引された国潮の衣類、靴類、アクセサリー、インテリア製品がさまざまに開発され、ここ2年ほどは国潮のスウェットパーカーの売上増加率が500%を超え、伝統衣装の漢服の増加率も230%を超えた。ペットを飼っている人の70%が「うちの子たちの健康と喜びのためにお金を使いたい」と考えており、多くの若者が「ペットにやさしい店に行ってみたい」と考え、さらには「ペットカフェに行って猫・犬と過ごす一時を楽しみたい」人も少なくない。

 現在、消費者が商品に求めるのは基本的な機能だけではなく、より進んだ機能に対しても多くの需要がある。同時に、消費者の消費に対する態度が感情面の価値の重視、暮らしのなかの主張として外に現れるようになってきた。今回発表された報告書は、「現在の小売業界の消費者には消費トレンドをめぐる8つの新たな主張がある」として、次の8点を挙げた。

 (1)健康的に楽しく生きる:広大な概念ではなく、すばらしい生活のための日常的な選択だ。
(2)内心の喜びを重視:1人でも孤独ではなく、内心のささやかな喜びを追い求める。
(3)のびのびと自分を解放:自然に近づく屋外での楽しみこそ自分を解放する最良の薬になる。
(4)特別な効果と自分だけのものを追求:消費者の奉じる新実用主義は特別な効果と自分だけのものを追い求める方向へと絶えず高度化し進化している。
(5)喜びを与えてくれるものなら思い切って消費:トレンドを追いかけ、美を追いかけ、喜びを追いかけ、感性を重んじて思い切った消費行動に出る。
(6)スマートライフへ前進:新しいものを試し、効果があれば忠実な消費者になり、「洗練された」スマートライフへ着実に前進する。
(7)高効率とバランス:効率の高さによってバランスの取れた暮らしのコントロールへの憧れを追求する。
(8)ミニマムと自由:物質面と精神面の両方で負担の軽くなるミニマムライフに回帰し、再び自由を獲得する。

 ますます多くの企業が若い消費者を抱え込もうとし、差異化し個性化したニーズのブルーオーシャンに目を向けるようになり、新商品、新ブランド、新品目が次々に誕生している。飲食消費の場合、ここ数年は消費者の健康に対する関心がどんどん高まっており、多くの企業や業者がライトミールやシンプル食、無糖飲料を相次いで打ち出し、消費者の飲食理念の変化に合わせようとしている。現代的消費の分野では、持続可能性に対する消費者の注目がますます高まり、環境に優しいランニングシューズや生分解性インナーなどの商品が消費者の日常生活に入り込みつつある。

 ポストコロナ時代、中国の消費市場は緩やかな回復が続いている。新技術、新消費者層、新チャンネルなどさまざまな面からの後押しを受けて、より多様化し個性化した消費ニーズが、今まさに消費増加の新たな原動力となっている。


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