かしいかえん跡は何ができる?跡地利用考察(中)
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国道3号沿線中心に、まだまだ開発進む千早エリア
香椎エリアの南側に隣接する千早エリアも、東区内ではとくに開発が活発なエリアだ。
同エリアでは、93年度より始まった「香椎副都心土地区画整理事業」により、JR香椎操車場跡地を含めた約66.3haで、JR鹿児島本線および西鉄貝塚線の高架化や新駅の設置なども含めた副都心形成に向けたプロジェクトが進行。道路などの都市基盤が整備されたほか、中高層住宅や商業施設などの開発が進められた。16年6月には、東市民センターや東図書館などの機能を持つ複合施設「なみきスクエア」がオープン。一時に比べると少し落ち着いた感はあるものの、その再開発の勢いはまだまだ健在だ。
なかでも注目されているのが、国道3号の香椎参道口交差点に位置する「香椎ビッグマートビル」の建替え工事だ。同ビルは1980年5月に開業した地上5階・地下1階建ての複合ビルで、開業当初は総合スーパー「ダイエー香椎店」を核店舗としていた。その後、05年10月に、ダイエー香椎店が閉店。それにともない、同年12月には家電量販店「ヤマダ電機テックランド福岡香椎本店」(後の家電住まいる館YAMADA福岡香椎本店)と食品スーパー「ハローデイ香椎店」を核とする施設にリニューアルしていた。だが、その後はビルの老朽化が進むなかで建替えを検討。ヤマダ電機およびハローデイが21年3月末をもって閉店となったほか、その他の入居テナントも順次閉店してビルは閉鎖され、現在はすでに解体工事が行われている。
そのビル跡地で新たに開発されるのは、「(仮称)福岡市東区千早5丁目計画」として計画されているRC造・18階建て、総戸数532戸(ワンルーム以外532戸)の大型分譲マンションだ。建築主はJR九州(株)、住友不動産(株)、日鉄興和不動産(株)、(株)長谷工不動産の4社で、設計は(株)フレームワークスが担当。22年7月ごろの着工を予定している。前出の「MJRザ・ガーデン香椎」と合わせて2物件だけで1,000戸近い住宅が供給されることになる。
18年4月に新校舎への移転が行われた福岡高等技術専門学校では、隣接する旧校舎跡地での開発が注目されている。
まず、跡地の西側半分(国道3号側)4,058m2は、25年間の事業用定期借地権設定契約で、(株)ハローデイが7,200万円/年で落札。22年4月ごろの着工予定で、S造・地上4階建ての「(仮称)ハローパーク千早店」として、食品スーパーを核とする複合商業施設を開発する計画となっている。
また、残る跡地の東側半分(3,300m2)は、福岡県が「定期借地方式による土地貸付」による有効活用を図るために、公募型プロポーザル方式による民間事業者を公募予定。県は、同地を一般定期借地権設定契約により事業者に長期賃貸し、事業者は借地上に新施設を建設して管理運営を行うほか、新施設の一部を県が事業者から賃借し、福岡農林事務所を設置するとしている。借地期間は50年から70年の範囲内で、応募者が提案。公募開始は2022年4~5月ごろで、優先交渉権者決定は23年1月ごろの予定となっている。
【坂田 憲治】
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