2024年04月25日( 木 )

22年地価公示は「ららぽーと効果」顕著に(後)

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 3月22日、国土交通省は2022年の地価公示を発表した。1月1日時点の公示地価は、全国平均で住宅地・商業地ともに2年ぶりの上昇となった。三大都市圏は住宅地で東京圏、名古屋圏、大阪圏がいずれも上昇。商業地は東京圏、名古屋圏が上昇、大阪圏が横ばいとなった。地方四市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)では、住宅地・商業地いずれも上昇を継続し、上昇率が拡大した。地方四市を除くその他の地域では、住宅地・商業地いずれも下落が継続しているが、下落率は縮小した。

県内住宅地 変動率上位

住宅地

上昇率1位(県内)

「山王1-84(地番)」(セイワパーク山王1丁目2)

山王1-84(地番)
山王1-84(地番)

 公示価格は26.9万円/m2で、前年の23万円から17.0%上昇(前年は10.0%上昇)した。セイワパーク山王1丁目2は10台収容可能なコインパーキング。地下鉄空港線・東比恵駅からは徒歩13分と多少距離はあるが、桜の名所で野球場も備える市民憩いの場・山王公園に接しており、賃貸マンションも多いエリアである。商業地全国10位の川清ビルからも近く、上昇の主要因はやはり博多の拡張だろう。ららぽーと福岡の影響も多少はありそうだ。

山王公園
山王公園

上昇率2位(県内)

「三筑1-3-8」(サンコーポ三筑)

三筑1-3-8
三筑1-3-8

 公示価格は16.7万円/m2で、前年の14.6万円/m2から14.4%上昇(前年は9.0%上昇)した。サンコーポ三筑は、JR笹原駅から徒歩10分にある6階建のマンション。ららぽーと福岡までは若干距離があるものの、周辺にはJR笹原駅のほか、西鉄・井尻駅や都市高速入口などがあり、交通アクセスは比較的恵まれた環境にある。
 上昇の主な要因は堅調な住宅需要のほか、ららぽーと福岡の影響も無視できない。ららぽーと福岡効果が顕著なエリアを東が御笠川、西が那珂川、南が福岡都市高速環状線までとする「博多SOUTH」(命名:本誌編集部)からはわずかにはみ出るものの、その影響は受けていると見られる。

上昇率3位(県内)

「諸岡1-24-10」(クイーンビラGOTO)

諸岡1-24-10
諸岡1-24-10

 公示価格は15.2万円/m2で、前年の13.3万円/m2から14.3%上昇(前年は9.9%上昇)した。クイーンビラGOTOは、5階建てのファミリー向け賃貸マンションで、周辺には戸建住宅やマンション、店舗などが立地する郊外型の街並みが広がっている。幹線道路・筑紫通りを通れば、ららぽーと福岡には徒歩13分ほど。さらに商業施設「博多ミスト」にも近い。周辺には田畑も散見され、まだまだ開発余地はあるように見受けられる。筑紫通りを隔てた諸岡3丁目では、(株)LANDICが分譲マンション「ASSOCIA 博多 諸岡 TERRACE(仮称)」(100戸)の開発を進めている。

アソシア博多諸岡テラス 建設予定地
アソシア博多諸岡テラス 建設予定地

【永上 隼人】

(前)

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