2022年06月26日( 日 )
by データ・マックス

コロナ禍でアジア食品店増加(2)ベトナムVimart、DHA

 新型コロナウイルスの感染拡大で外国との往来が制限され、外出自粛および飲食店への営業時間短縮要請などが出されるなか、在留外国人を中心に、海外の食材・調味料の需要が急激に拡大した。それを受け、輸入食材・調味料などを扱う食品専門店が相次いでオープンしている。外国の食文化などが好きだが外国に行けないという日本人にも人気で、市場は拡大している。

Vimart:アジア向けマーケット

「Vimart」(吉塚市場リトルアジアマーケット)
「Vimart」(吉塚市場リトルアジアマーケット)

    コロナ以前から開店準備を進めていたが、コロナ禍での開店となったのが吉塚市場リトルアジアマーケットの「Vimart」(ヴィマート)だ。福岡市で唯一の日本人経営のベトナム食品店である同店はコロナ禍で外出自粛要請や同業店の増加という不運に見舞われたが、もともとはベトナム食品販売に商機を見出しての開業であった。

 同マーケットには福岡で唯一のミャンマー料理店があり、多くのミャンマー人が訪れ、彼らがVimartにも寄るというパターンが形成されている。ベトナム食品には、ミャンマーのほかアジア地域で共通する商品が多く、ミャンマー語などのラベル表記に対応しているわけではないが、問題なく購入していくという。日本人の顧客も増えている。顧客1人(1組)あたりの購入金額についていえば、日本人は外国人の約半分であり、日常的に輸入食材を必要としている外国人在留者と、なじみのない食材も多い日本人との違いが見られる。

DHA貿易:帰国できない同胞のため

DHA豊前ショップ
DHA豊前ショップ

    コロナ禍で参入を決めた業者の1つが、博多のDHA貿易(株)だ。代表のホアン氏はもともと在留ベトナム人を主な顧客として中古家電などの売買を行っていたが、コロナ禍で「当面は帰国できないかもしれない」という雰囲気が強まったのを感じ、母国の食品のニーズ拡大をにらんで20年春にベトナム食材の小売販売を始めた。ホアン氏によると、コロナ禍で同氏がベトナム食品販売を始めたのを見て、在留ベトナム人が続けて参入したという。

 DHAは行橋市、豊前市の在留ベトナム人から出店の依頼を受け、行橋市で食品店、豊前市で食品店とレストランを出店している。在留ベトナム人などが主な顧客となっているが、日本人顧客も増えており、順調だという。豊前市長がレストランのリピーターになるなど、行政と良好な関係を築いていることが、地域に溶け込むうえで功を奏しているようだ。

 ベトナム食品店が増えたことで、同一商圏内に競合店舗が併存するようになり、競争が激化している。各店舗とも取り扱う商品は、フォーなどの麺類、ライスペーパー、コーヒー、調味料、ドライフルーツ、菓子など共通している。各店舗はそれぞれに差別化を図っている。

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 HSCは自社での直輸入という強みを生かして、とくに南国の果物やハーブなど青果物のラインアップの充実を図っている。また、ベトナム人の使用時間が長いFacebookなどSNSでの宣伝、プロモーションを強化していくとしている。

 Vimartはミャンマー人などの来客が多いことを生かして、引き続き外国人顧客の開拓に努めていくという。代表は「生活に必要な食品を求めるだけでなく、来て楽しんでもらいたい」と語る。先日、福岡市ではほとんど扱われていないあるベトナムの果物を仕入れて販売したところ、ベトナム人から非常に好評であったという。青果物はロスもあり利幅は大きくないが、乾物などを中心に扱う近隣のネパール食品店との差別化にもなっている。

 DHAは中古品の売買などにより定着した顧客が多く、東区や糟屋郡など近隣以外の顧客からも注文が入る。ほかの店舗でも見られるが、DHAも配達や郵送を行っている。競合店の増加については、顧客から得ている信頼を基に「自身の事業を継続するだけ」と意に介さない。HSCとも共通しているが、SNSで頻繁に情報発信を行っている。

(つづく)

【茅野 雅弘】


<SHOP INFORMATION>
■Vimart
所在地 :福岡市博多区吉塚1-17-5
営業時間:月~土 午前10時~午後8時
     日・祝 午前11時~午後8時
TEL :050-1054-9171
URL :https://yoshiduka-yla.com/shop/shop15/

■DHA貿易(株)(博多店)
所在地 :福岡市博多区博多駅南3-13-17
営業時間:平日 午前11時~午後8時(月曜定休日)
     土日 午前10時~午後8時
TEL :090-9489-8289

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