【コロナ禍を越えて(12)】ホテルオークラ福岡・高栁健二社長兼総支配人 オークラ東京総支配人に栄転
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高栁健二氏は1968年生まれ。福岡県立修猷館高校、一橋大学社会学部を卒業後、(株)ホテルオークラ東京に入社する。国内外のオークラグループのホテルで役職を歴任。2012年6月福岡に着任した。常務取締役総支配人、代表取締役専務支配人を経て、18年6月代表取締役社長に就任した。
「いまさら高栁氏の華麗なるプロフィールを紹介して何の意味があるのか!」と感じる人もいるだろう。確かに2020年2月までは、まさしく非の打ち所がないビジネス人生を歩んでこられた。その後も波瀾万丈とは無縁で、ホテルマンとして頂上に登りつめるだけの人生だと周囲から嫉妬されていた。
ところが2年前、20年2月から暗雲が漂ってきた。コロナ禍の襲来である。同月、コロナの影響を予測する事業計画を練り、「宿泊率を60%に絞り込んだ」そうだが、現実は宿泊率が大幅に減少した。ホテルに立ち寄る訪問者も急減。宴会も皆無となった。レストランなどの閉鎖・営業時間短縮、社員の自宅待機などの手を打った。ホテルの華やかな雰囲気は一瞬にして消えた。ホテルのロビーが暗い雰囲気になってしまったのである。
高栁氏にとって初のビジネス人生における試練に立ち向かうことになった。悶々として一睡もできなかった夜が数えきれないほどあったと聞く。幹部たちと延々、討議して方針を決定する。その方針がことごとくコロナ禍において“跳ね飛ばされてしまう”のであれば精神的にまいるのは当然であった。
苦節2年、ようやく光が差してきた。先日、高栁氏にホテルオークラ東京総支配人の辞令が下った。「いやぁ、この2年間、コロナ禍で貴重な経験をさせていただいた。今後、いかなる危機・苦労にも太刀打ちできる気概をもてるようになった」と教訓を語る。高栁健二ホテルオークラ東京総支配人のご健闘をお祈りする。
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