2024年04月25日( 木 )

参院選で政治刷新第一歩印す

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、参院選について「連合六産別の組織内候補を落選させることが極めて重要」と主張した7月3日付の記事を紹介する。

7月10日の日曜日は全国的に気温が高いが天候は安定した状況になる見通し。日本の在り方を決める国政選挙であるから全員が参加する必要がある。

しかし、1人区への野党の対応が選挙への関心を引き下げている。47都道府県のうち、34の県が当選者1人の選挙区(4県は合区で2県で1人の当選者)。与党の自公はただ1人の候補者を擁立する。自公に対峙する勢力が候補者を1人に絞らなければ勝負にならない。

しかし、野党が分裂している。この分裂は仕掛けられたもの。野党を分断することをミッションとする勢力が存在する。3つの野党勢力がこの分断に深く関わっている。

3つの野党勢力とは立憲、国民、維新の三者。このうち維新は自民を通り超えて右に位置する勢力だから、完全な自公補完勢力。壊憲、原発稼働、新自由主義を党是とすると見てよいだろう。明白な隠れ与党勢力。野党と呼ぶべきでない。

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維新は選挙でれいわに流れる票を吸収するために「消費税減税」を叫んでいると見られる。しかし、与党と対峙して消費税減税を勝ち取る気構えは有していないと考えられる。

国民民主は完全に「隠れ与党勢力」の本性を現した。壊憲、原発稼働推進勢力だ。本当は自民党に移りたい。政権与党に組み入れて欲しいとの声が聞こえてくる。この政党ももはや野党と呼べない。消費税増税にもいずれ賛成するだろう。維新と国民は自公の側に回るのが適正。政治行動が与党化している。

問題は立憲民主。立憲民主が自公と対峙する野党の中核に位置すべき。多くの主権者が立憲に中核野党としての行動を求めた。

ところが、立憲が急激な右旋回を示した。昨年10月の衆院選で野党共闘を否定。共闘する対象は国民民主と連合であると明言した。これで立憲民主党への支持が激減した。立憲民主の右旋回を加速させたのが泉健太代表への代替わり。

立憲民主党が腰砕けになったので中核野党が不在になっている。1人区で立憲民主が候補者を擁立しても反自公政権票の集約ができない状況が生まれている。今回参院選でも立憲民主は苦戦を強いられるだろう。

この背後で蠢(うごめ)いてきたのが連合だ。連合は旧総評と旧同盟が中核になって創設された労働組合連合。しかし、時間が経過して旧同盟系組合が連合の支配権を握った。旧同盟系の系譜を引くのが連合六産別。電力、電機、自動車、鉄鋼、機械・金属、繊維・流通の大企業御用組合の連合体だ。

この連合六産別こそ野党分断のミッションを負う存在の本尊。連合加盟労働者は約700万人。そのうち、約400万人が六産別所属。この連合六産別が野党分断のミッションを負っている。立憲が腰砕け政党に堕してしまったのは連合六産別の誘導に屈したから。

その連合六産別が参院選に5人の組織内候補を擁立した。
川合孝典(UAゼンセン)
はまぐち誠(自動車総連)
矢田わか子(電機連合)
村田きょうこ(基幹労連)
竹詰ひとし(電力総連)
の5名。

5名のうち4名は国民民主から出馬だが、基幹労連の村田きょうこ氏だけは立憲民主からの出馬。国民民主では当選できないとの読みが立憲民主から出馬の理由とみられる。

連合六産別の組織内候補を落選させることが極めて重要。従って、比例代表選挙では維新、国民民主だけでなく、立憲にも投票するべきではないということになる。


※続きは7月3日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「参院選で政治刷新第一歩印す」で。


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