【北天神】長浜でJR貨物が再開発(後)
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筆頭候補はマンションか
ここまで、JR貨物の再開発の実績や「長浜」の現況について触れてきたが、これから「長浜」でどのような開発がされるかの可能性を考えてみたい。まず、商業施設の開発だが、西側に歩いて8~10分・約600mの距離にスーパーマーケット・サニーを核テナントとする「キテラタウン福岡長浜」(21年2月開業)があることから、現実的ではないと見られる。少なくとも、商業施設デベロッパーとの協業がないと、JR貨物単体で企画するのは難しいだろう。次にオフィスビルだが、こちらは考えられなくもないといったところ。ただし天神地区では、新・福ビルを筆頭に、天神ビッグバンによってこれから大型オフィスビルが次々に完成していく予定で、供給過剰を心配する声もあり、天神中心部と明確な価格差(賃料)を設定できないのであれば、安定的な運用は難しいかもしれない。
最後にマンションだが、こちらは比較的容易に考えられる。以前とは異なり、長浜地区のイメージも向上していることから、天神へのアクセスを生かした高価格帯の賃料設定も可能だろう。分譲マンションについては、長期運用の観点からは可能性が低いと見られる。ただ、分譲にすればやはり中心部への距離が近いことから、人気物件になる可能性は秘めている。その場合、横浜で進行中のプロジェクトのように、大手マンションデベロッパーとの共同事業ということになるだろう。
市場との一体開発は?
ここまで、JR貨物の敷地単体での再開発について述べてきたが、長浜鮮魚市場との一体開発についても触れておきたい。ただし現段階では、その実現可能性は低いと見られる。今年7月、福岡市は東冷蔵庫棟のローリング計画について、都市計画審議会に付議する予定(7月8日執筆時点)となっている。さらに、移転した後には、旧・東冷蔵庫棟を含めた敷地を活用し、「気軽に新鮮な魚に触れることができる、市民の新たな魚食スポット」(福岡市)を目指しており、23年度中の開業を目指している。
ただ、長浜鮮魚市場の知名度はそれなりに高く、福岡市民の認知度も高いため、一体開発でなくとも、両敷地のアクセスを強化した開発コンセプトを描くことができれば、北天神のランドマークとなることも考えられる。いずれも公共団体であることから、地域の将来を考えた再開発プランとなることを期待したい。
(了)
【永上 隼人】
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