進行する天神ビッグバン&博多コネクティッド(4)
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博多コネクティッド
動きが見られない、箱崎キャンパス跡地
天神や博多のような都心部ではないが、福岡市内の大規模再開発の動きとして、本誌でもたびたび取り上げてきた九州大学・箱崎キャンパス跡地の再開発にも触れておきたい。
周辺エリアも含めて約50haもの広大な箱崎キャンパス跡地の再開発に向けては、18年9月末の閉校前からさまざまな協議が重ねられてきた。これまでに15回におよぶ跡地利用協議会(13年7月~20年10月)の開催のほか、「跡地利用将来ビジョン」(13年2月)や「跡地利用計画」(15年3月)、「九州大学箱崎キャンパス跡地グランドデザイン」(18年7月)などを順次策定・公表。20年6月には福岡市が都市計画の決定・変更手続きを実施し、用途地域の変更や、市施行の土地区画整理事業の事業実施に向けての区域決定などが行われた。
その後、事業者公募に向けた条件整理などを実施。公募で提案を求める範囲は、箱崎キャンパス跡地などのまちづくりエリアのうち、UR都市機構が開発行為を行う南エリアの大部分と、福岡市が土地区画整理事業を行う北エリアの南側部分。当初の事業者公募は、20年度中に開始される予定だった。
ところが、新型コロナの感染拡大で企業の経済活動が停滞していることなどを理由に、21年1月と21年8月の2度にわたって公募の延期を発表。具体的な公募の開始時期については改めて公表するとしていたが、現在までとくに新たな動きは見られない。再開発に向けての青写真が描かれないまま、既設建物の解体・更地化などの基盤整備事業は進んでいたが、今年4月には成人男性のものと思われる切断された人骨が解体工事現場で発見されるという事件が発生。新たなまちづくりが始まる前に“事故物件”となるなど、思わぬところからケチがついたかたちだ。
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コロナ禍で一時的に停滞を余儀なくされていたものの、天神と博多の両エリアでは、大型プロジェクト以外にもオフィスビルやホテルの開発が散見されるようになってきた。いまだ人口増の勢いに衰えは見られず、九州随一の162万7,244人(22年7月1日現在推計人口)もの人口を抱えている福岡市。人の多さは都市の活力にも直結し、それがさまざまな企業・経済活動や投資を呼び込み、さらに人を呼び寄せていくという好循環を生み出している。今後も、天神ビッグバンと博多コネクティッドという2つの都心部再開発プロジェクトを契機に、周辺部の再開発をも誘発していくことで、福岡市の都市力がさらに高まっていくことを期待したい。
(了)
【坂田 憲治】
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