2024年05月16日( 木 )

【福岡市長選】王者への挑戦(1)志高き覚悟の挑戦者

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 11月に予定されている福岡市長選挙に立候補する覚悟を決めた志の高い挑戦者がいる。立憲民主党所属の福岡市議会議員田中慎介氏(44)だ。2019年5月から野党最大会派「福岡市民クラブ」の代表を務めている。本日午後に記者会見を開き、出馬を正式に表明する予定。

田中 慎介 市会議員
田中 慎介 市会議員

    田中氏は2007年5月に28歳で市議会議員に初当選し、4期約15年にわたって福岡市政に携わっており、今年6月14日の定例会初日には「永年勤続表彰式」で15年表彰を受けた。政治家としては現市長より長い経験を有する。

 初当選以前から「田中しんすけ 公式サイト」を運営し、頻繁に情報を発信している。「情報発信で政治を身近に分かりやすく」と、地方の議員および議会の取り組みを分かりやすく伝えることを意識し、動画も織り交ぜながら議員活動について発信している。

 かたや、いまだ出馬表明をしていない絶対王者とは、現市長・高島宗一郎氏(47)。10年12月7日の就任から現在まで3期約12年市長を務める。いまだ出馬表明をしていないものの、高島氏が出馬すれば再選確実、圧勝と噂されている。

 市長選に出馬する田中氏を「挑戦者」と書いた理由について触れる。高島氏の過去の選挙得票数から見て分かるように、同氏は選挙に非常に強く、その基盤は盤石だ。10年に初めて市長選に出馬したときの得票数は20万9,532票で、当時現職の吉田宏氏の14万4,828票に6万4,704票の大差をつけて当選した。同市長の史上最年少の36歳であった。2期目の14年の市長選では史上最多得票数となる25万6,064票を獲得、次点の吉田氏は11万6,630票で、票差は13万9,434票へと広がった。3期目の18年の市長選では14年の得票数を29,371票上回る285,435票で、再び史上最多得票数を獲得した。この状況で出馬する田中氏は、まさに「志高き挑戦者」なのである。

 9月15日、医師会、歯科医師会、薬剤師会の3師会各代表が、高島氏に4期目の出馬を要請、支援する意向を明確に示した。自由民主党福岡市議団のある議員は、高島市長が出馬を表明したら、当選に向けてしっかりと会派を挙げて応援していく考えを示している。高島市長が出馬すると、福岡市議会の自民党新福岡を含めた現与党各会派議員の35人(定員62人)と、多くの団体・組織や企業が支援にまわるであろう。その絶対的な王者に挑戦する田中氏の志の高さと覚悟にエールを送りたい。

 田中氏の出馬について、現職の複数の市議は次のように話す。

 ・市長選に出馬するのは市民の自由です。
 ・4期15年も務めた市議を辞めてまで市長選に挑む覚悟は立派です。
 ・統一地方選挙が来年4月にあるので、もし市長選挙で落選しても、再度、市議選で返り咲くことも念頭に置いているのではないでしょうか。
 ・しっかりと覚悟を決めて市長選への出馬を決断したのでしょう。
 ・相手にとって不足はなく、挑戦するにもやり甲斐があると思います。

 田中市議は15年間の議員経験に基いて、「福岡市のあるべき街のイメージ」と「福岡から“新時代”をひらく」を構想している。今回覚悟を決めた根拠であろう。その挑戦者としての高い志が、選挙を通して福岡市民の隅々にまで行き届き、結果に結びつくかどうか、引き続きその動向に注目していきたい。

【岡本 弘一】

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