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2015年06月17日 13:31

違憲明白な安保法制と野党再編 植草一秀氏ブログ「知られざる真実」 

 政治経済学者の植草一秀氏が6月16日、自身のブログとメールマガジンの記事で、安保法制をめぐる安倍政権の違憲立法に触れて、一部野党の加担と、野党再編で取るべき方向について述べた。NETIBでは、同記事の一部を抜粋して紹介する。

 「日本国国民自身がみずからの憲法をつくって、それは行使しないと、その集団的自衛権の方は行使しないと決めたわけでありますから、当然日本国政府はそれに縛られる、こういうことだと思います。」
 これは、1999年2月9日の衆議院安全保障委員会で当時外務大臣の職にあった高村正彦氏による答弁である。政府を代表して、集団的自衛権の行使について、明確に政府の見解を示したものである。1972年の政府見解と同じく、日本が主権国家として個別的自衛権だけではなく集団的自衛権も保持しているとの見解を示している。
 主権国家として集団的自衛権を有しているが、「日本国国民がみずからの憲法をつくって」「集団的自衛権の方は行使しないと決めた」わけであるから、「当然日本国政府はそれに縛られる」「こういうことだと思います」と述べている。

 国会議事録に残されている高村正彦氏のこの答弁と、6月14日のNHK日曜討論における高村正彦氏の発言は根本的に矛盾する。
 高村氏は、政府がいま行使を容認しようとしている行為が「国際法上の集団的自衛権の行使にあたる」としながら、この集団的自衛権の行使が、日本国憲法に反しない、合憲であると主張している。
 このような暴論を押し通すようでは、日本の政治は終わりである。「立憲主義」を破壊する暴挙である。政治権力が暴走しないように、政治権力が主権者の主権を踏みにじらないように、政治権力の行動は憲法によって縛られる。これが「立憲主義」の考え方である。
 高村氏が1999年2月9日の国会答弁でいみじくも述べたように、「当然日本国政府はそれに縛られる」のである。

 日本政府は1972年に政府見解を公表し、爾来、40年以上にわたってこの憲法解釈を維持してきた。憲法を改定せずに、この憲法解釈を変更することは許されない。憲法解釈を変更して、集団的自衛権の行使を容認することは、事実上の憲法改定である。憲法改定の手続きを経ずに、憲法の内容を改定することは、「立憲主義の否定」であると同時に、「違憲行為」である。
 ほぼすべての憲法学者が安倍政権の集団的自衛権行使容認の安保法制を「違憲立法」であると断じている。
 衆議院の憲法調査会が招致した3名の憲法学者が全員、「違憲判断」を示したことも重大である。
 日本の立憲政治、日本の民主主義が、辛うじて存続しているのであるなら、安倍政権はこの違憲立法の提案を撤回せざるを得ない。論理的な決着はすでについている。

 本来、メディアは連日この問題をトップニュースで扱い、政府の横暴、政府の二枚舌の現実を広く国民に知らしめるべきである。しかし、NHKの報道は、この問題を限りなく矮小化するものである。大半の憲法学者の見解を詳しく解説することをせずに、ニュース報道の最後には、必ず、政府の説明を長々と示して締めくくる。NHKの放送受信料強制徴収そのものが違憲行為である。違憲のNHKが違憲の安倍政権を必死で支える構図が見えてくる。この問題を軽視してはならない。日本の「立憲主義」がいま、存亡の機に直面しているのである。
 野党の一部に安倍政権の違憲立法に加担しようとする動きがあるが、主権者はこうした野党勢力の暴走にも目を光らせなければならない。安倍政権の違憲安保法制は必ず廃案に追い込まれる。
 日本の主権者は声をあげて、必ず、これを実現しなければならない。

※続きは、メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1170号「野党再編は『数合わせ』でなく『政策基軸』で」で。


▼関連リンク
・植草一秀の『知られざる真実』

 

 
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