2024年04月30日( 火 )

【2023年年頭所感】近代・現代の総決算 淘汰・絶滅か、奇跡の再生・復活か

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福岡の夜明け イメージ

(株)データ・マックス
代表取締役社長 児玉 直

単純な復興戦略

 明治維新(1868年)後、第二次世界大戦敗北(1945年)後に国家として復活をはたし、世界から尊敬される列強日本として一時、燦燦と輝き渡った方策は単純なものであった。国民は辛酸を舐めたが、それなりに報われる時期もあった。

 明治維新の基本骨格策は「富国強兵(国内の経済発展を図り軍事力を強化)」、1945年以降の日本復興策は「アメリカ植民地下での経済発展主義の邁進」と至って単純だった。ゼロから、いやマイナスからのスタートでは、難しい戦略を考える必要はなかった。

安倍元首相暗殺で問題点が爆発

 ウクライナ戦争の東アジアへの波及、すなわち中国の台湾侵攻の可能性が逼迫するなかで、処方箋は複雑怪奇なものとなると認識することが重要である。豊かであった日本が沈没しながら再生へ向けて同時に策を講じることは至難の業なり。端的にいえば利権絡みの連中が妨害するのである(エネルギー問題の箇所で後述する)。まずは持たざる貧困層と途上国が勢いづいて台頭する。これが歴史の法則である。

 20年後に下される安倍元首相の歴史的な評価は「1945年から営々と築かれた日本の繁栄の基盤を木っ端微塵に粉砕した政治家」となるであろう。安倍氏の首相辞任は、アメリカの軍事予算増強の恫喝に耐えられずに敵前逃亡したというのが真相である(横田基地に呼びつけられて病院から抜け出して行き、CIA高官から命ぜられた)。最終的には情けない人物であることが露呈してしまったということだ。

 肝っ玉が小さいことを自覚すれば、まだ生きていられたはずだ。ところが憂さ晴らしといわんばかりに「統一教会応援演説」を街頭で連日、全国で拭き回っていった。そこをテロリストから狙われたのだ。ある友人は悔やむ。「晋三に3年間は静かにしていれば3回目のチャンスが必ず訪れると勧告したのであるが、聞く耳をもたなかった」と語る。

 安倍元首相の存在が消えた後に発覚した問題点の実例を2点述べよう。

(1)旧統一教会との腐れ縁。2世、3世の信者たちが食い物にされた事実が露呈したことで統一教会への批判が一気に高まってきた。結果、統一教会活動封じ込めの法令が一瞬にして決まった。安倍氏という重石を失うと憐れな身に転落することを統一教会が証明してくれた。

(2)東京五輪汚職。検察組織が摘発に張り切り出した。現在も調査は進行しており一件事案は法廷審議にまで漕ぎつけられている。森喜朗元首相逮捕まで行きつくのかどうかが注目されている。検察の狙いは「安倍元首相の一族郎党、友人知人の利権漁りの組織構造摘発である。これまた安倍元首相が権勢を誇っていたのであれば表沙汰になることはなかった。

解決への無能力さにただただ震駭する

 安倍政権が誇った政策は「アベノミクス」である。10年間、ゼロ金利状態で無策で走ってきた。この期間、アメリカの経済政策はダイナミックに激変していった。その結果、国民の所得は実質減り続け、GDP(国内総生産)は10年間成長していない。

 逆にアメリカは物価が上昇したものの、経済発展をはたした。先進国で「成長なし」は日本だけである。この痛みもともなわない経済政策によって日本人が軟弱化している現実に恐れ慄く。「誰かが手を差し伸べてくれる」というのはもはや幻想だ。

 現在、GDPの2.6倍を超える政府債務を抱えている日本だが、政治家や役人たちは1人として返済する計画を練り上げていない。今後、軍事公債、エネルギー国債の連発発行が予想される。そうなれば打開策は超インフレを抜きにしてほかの策はない。まず年金生活者が犠牲になるであろう。筆者の本音は「生活難が襲ってこないと国民は覚醒しない」である。

 コロナ蔓延に対する政府の無力な対応策に対しても国民たちは疑問を抱き始めてきた。「行政の指導に従順だと殺されるのではないか」と考えるようになったのだ。フォロワーが17万人ついている、ある看護師ユーチューバーは「行政、マスコミが流す情報とコロナ最前線の現実との間には乖離があり、疑義を抱くようになったので週3回、発信するようになった」と語る。疑問を抱き始めた国民に望みたい。「国を信頼して身をすべて託する思考・行動を捨ててください!」

利権派が我が国を地獄へ追い落とす

 政府のエネルギー対策には驚いた。「原発の寿命を60年まで許可する」までは耳にすることができた。「許可60年とともに小型新原発の開発、20兆円予算を検討」という記事を目にして「これは大事。官僚たちには任せられない!エネルギーは国民の生活インフラの最重要課題」と危機感を抱いた。経済官僚(日銀職員含む)と同様に解決への構想力が皆無なり。東京電力は実質債務超過である。九州電力のSIC(同号掲載)を参照されたし。たとえば経営難のこの2社に原発救済に関する莫大な資金を投入してエネルギー供給が確保されるのだろうか、甚だ疑わしい。

 当社では「未来のエネルギー」記事を紹介する。ただ、未来の論ではなく、2023年から発電・供給ができるエネルギーだ。具体性をもって積み上げていくエネルギーの実績づくりに当社もコミットしていくことを約束する。

誰もが目を瞑る人口減

 2022年の出生数は77万人前後。1947年生まれの団塊の世代は268万人で、2019年時点で206万人存在しているとか。1947~50年生まれはまだ600万人も生きている。この逆ピラミッド型組織の維持は不可能である。海外の方々も「稼ぐ目的で海外へ」が本音なり。だから「稼げない日本を敬遠する」ことを知っていないと笑われる。

 人間は死ねばおしまいだが、国は再生可能なり。2023年は沈没元年となる。転落地獄から再生の苦しみを5年経験してようやく日本人は覚醒する。ここから再生が始まるのである。

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