2024年04月16日( 火 )

【福岡IR特別連載118】日本解禁は間近? 世界の巨大なゲーミング市場

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オンラインカジノ イメージ    前号で、筆者は、ギャンブル依存性などを理由に反対する人たちを「無知で偽善の、大義なきIR反対者」と断じた。少しばかり過激な発言だったかもしれない。そこで、今回はさらにわかりやすく解説しよう。

 皆さんご承知の通り、我が国では「競馬」「競輪」「競艇」「オートレース」の公営4競技に「宝くじ」「スポーツ振興くじtoto」などを加えたものが、一般に公営ギャンブルとして認められている。
 我が国では、これら以外の賭博・博打・賭け事の類いを民間企業が行うことは法律で禁じられている。

 しかしながら、唯一公然の事実として存在している博打場は「パチンコ・パチスロ」である。IR反対派の人たちは「ギャンブル依存性」「反社会的組織の介入」等の温床となっているとしている。また、時々摘発される闇組織による非合法カジノ(カードゲームやスロットル)などにも、当然これらの懸念はある。

 これが、IR反対派が主に唱える反対理由である。また環境保護問題については前号で解説済みである。

スポーツベッテイングという世界の巨大ネット市場

 米中覇権争いに台湾有事、ロシアのウクライナ侵攻など、日米安全保障に経済安全保障問題が連日のように報道されている。西側自由主義諸国G7(先進主要7カ国会議)の結束がさらに日々重要度を増している。
 G7諸国のなかで、このスポーツベッテイング(Bet=賭け事)が合法化されていない国は、唯一日本だけである。

 この潮流は、我が国だけで抗える問題ではない。日本以外の多くの国では、多くの人々が利用している各自のスマホを通じて、簡単にカジノを含むあらゆる種類の賭けごとが可能になっている。すでに、インターネットギャンブルには垣根はないのだ。

 米国では2018年に合法化され(地図参照)、英国、フランス、イタリア、ドイツ、カナダ等のG7諸国はもちろん合法。まさに、賭けごとは彼らの文化の一環である。スポーツベッテイング合法化前の米国闇市場は日本円で換算すると約40兆円もあったと言われていたが、税収不足に陥っていた各州の意向もあり、合法化して課税する動きとなったものだ。現在、賭け金総額は約11兆円で、巨大な規模の税収増となっている。

 さらに、その賭けを提供する企業が上場し、人気スポーツの放映権料も凄い勢いで高騰しているのだ。賭けの対象も多様化している。たとえば、エンジェルスの大谷選手が次の打席でホームランを打つかどうか? サッカーなら次にシュートを打つのはどちらのチームか?など、試合に関わるすべてのできごとが賭け事の対象となり、デジタル(AI)上で、瞬時に処理されインターネットで配信されている。今や、欧米には巨大なインターネットベッテイング市場が形成されているのである。

 要は、年配者の皆さん良くご存知の、米国の映画でも有名な「アンタッチャブル」の世界だ。1920年代のアメリカ、禁酒法時代(狂騒の20年代)。酒、賭博、売春、ドラッグなど闇の世界を牛耳っていた高名なギャングのボス、アル・カポネと対決した財務局のエリオット・ネスのように、すべてを表に出して合法化し、課税すべきとしたのが今回の措置なのである。

 従って、近い将来我が国も同じ道を歩むことは必然だ。今回のIR法とその関連法も、赤字国債の連発で弱体化している国家財政の健全化を目指す将来を見据えたもので、政府はその布石を打ったと言っても過言ではないのだ。

 重ねて解説するが、福岡IRを企画立案し、ここまで計画準備してきた地元の若き経営者グループは、これらのことは熟知している。これからの世の中、世界的な潮流がどのように展開していくかを熟慮した上での行動である。反対派の人たちは、自分が知らないことは身近にいる若い人たちに聞いてみるべきだろう。

 高島市長が力説する「スタートアップ」や「国際金融都市宣言」と、福岡IRを推進する若手経営者たちの意向は、本件では完全に合致する戦略だと思慮するのである。

 ちなみに、昨年記者会見を行った本件候補業者の米国Bally'sはラスベガス創業の老舗企業でもあるが、2021年に27億ドル(当時のレートで3,500億円)で買収した英国インターネットゲーミング企業Gamesysは、このスポーツベッテイングのブックメーカーである。
 ゆえに、現在同社は米国最先端のIR投資開発運営企業なのである。もう現実とインターネット仮想空間に垣根はないのだ。

 現在我が国にも、すでに大手含めて数社の国内外ブックメーカーが存在していて、これらは、先の東京オリンピックなどの競技なども対象にしていて、世界市場で活発なベッテイングビジネスを行っている。これらは、我が国において違法でもなく、合法でもない、要は法律が追いついていないのである。

 従って、米国企業Bally'sは、今後将来的には(つまり我が国におけるスポーツベッテイングの合法化後は)、米国最大のインターネットゲーミングビジネスのプラットフォームをもつ、現実と仮想空間のIR事業母体に成長する優良企業である。国内の反社会的組織がつけこむ隙間などは一切ない。

 これは取りも直さず、巨大なアジア市場においてのインターネットビジネスを含めたプラットフォームが、我が郷土福岡市に現地法人として誘致・開発・新設されるということである。彼らはすでにある巨大な都市東京に興味はなく、政治的に安定している日本のなかでも、アジアの玄関口であるゲートウェイ福岡市に進出したいという積極的で強い意志を表明しているのだ。

 福岡IR構想は、福岡都市圏の市場性も高い評価を得ているが、それだけにはとどまらない。地政学的・政治的に高く評価され、国際会議(MICE)の開催やクルーズ船寄港等に高い実績を誇る福岡市を中心に、彼らが最終的に目指すマーケットは、次世代の巨大なアジア市場、しかも現実と仮想空間の双方にあるのである。

 福岡都市圏におけるギャンブル依存症などの問題は、これを管轄する行政の責務としてきちんと対応すべきだ。本件誘致開発による諸問題の発生とその波紋の拡がりは、各関係機関が相互協力して対処すれば良いと繰り返し解説している通りである。

 だが、福岡IR構想が描く巨大で壮大な未来絵図は、そんな程度の問題とは比較にならない、二度とない好機なのだ。

【青木 義彦】

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