2024年03月29日( 金 )

在宅復帰率88%の巨樹の会、「医療連携会」を開催

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 (一社)巨樹の会(本部:佐賀県武雄市、蒲池真澄会長)は25日、帝国ホテル(東京都千代田区)で「第1回巨樹の会医療連携会」を開催した。

 巨樹の会はカマチグループの法人の1つで、回復期病院12施設を運営している。4月には原宿リハビリテーション病院を開院し、回復期病院の病床数は2045床となった。10月には五反田、2017年9月には江東区に回復期病院をオープンする予定。同会はこれを機に、各回復期病院の周辺の医療機関・介護施設などの関係者約640人と、巨樹の会の医師・看護師・療法士・事務員ら約360人が一堂に会し、それぞれの地域の医療施設との交流を深める医療連携会を催した。

高復帰率の要因は「セラピスト」の心意気

一般社団法人巨樹の会 蒲池真澄会長<

一般社団法人巨樹の会 蒲池真澄会長

 巨樹の会が属するカマチグループの蒲池真澄会長は冒頭の講演で「人口10万人当たりの回復期リハビリテーションの病床数は、関東が圧倒的に低かったため、10年前から関東で回復期リハビリテーションの普及に取り組んだ。現在はすべての病院で入院待ちの状態。グループの回復期病院の在宅復帰率は85%以上で、なぜよく治るのかと聞かれるが、一番の要因は若いセラピストの心意気。『絶対に治してあげるんだ』というセラピストの心意気に乗せられて、患者様もその気になり、治療成績が上がってくる。入院患者は、すべて急性期の病院の先生方から紹介を受けている。今後も急性期病院の先生に信頼され、回復期病院をうまく活用していただき、お互いに患者様にとってよかったと思えるようにしてきたい」と、リハビリテーションへの想いを語った。

 巨樹の会関東統括副本部長の桑木晋氏は、同会の医療実績を報告。同氏はグループの回復期病院の一番大きなポイントに在宅復帰率を挙げた。グループの平均在宅復帰率は88.4%と、全国平均を大きく上回っている。セラピストが患者にどれだけ関わったかを示す患者1人あたりの1日単位数は、全国平均を上回る8.4単位。1単位は約20分なので、平均約3時間、セラピストが患者と関わっていることがわかる。自立動作支援のロボットスーツ「HAL」について同氏は、「原宿リハビリテーション病院に4台導入し、患者様も喜んでいるが、ただ使うだけでなくデータを取ることが大事。来年には成果を報告したい」と話した。同グループの回復期病院には、病院と自宅の間をつなぐ施設「シミュレーションルーム」を用意。在宅復帰の前に、料理や趣味など日常生活を円滑に過ごすための練習をして、「安心して家に帰れる」という前向きな気持ちになれるように努めているという。桑木氏は「皆さまのご期待を超えられるように邁進したい」と今後の抱負を語った。

 第2部の懇親会では、回復期病院のテーブルの周りを、地域の急性期病院などが取り囲み、各々が交流しやすいよう配置に配慮がなされていた。急性期病院関係者からは「近くに大規模な回復期病院があることはありがたい」という声もあった。

 10月にオープンする「五反田リハビリテーション病院」は、五反田TOCビル(東京都品川区)の前にあるレナウン本社ビルを改装し設立した。9月18日に内覧会、19日には特別講演や各種イベントを開催する予定。

【山本 剛資】

 

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