2024年04月19日( 金 )

日本ビジネスインテリジェンス協会、第180回情報研究会開催

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 日本ビジネスインテリジェンス協会(BIS、中川十郎理事長)は16日、第180回情報研究会を東京で開催した。当日は25名が登壇、約5時間におよぶ白熱した発表の場となった(当日のプログラムは文末に掲載)。

 谷口誠元国連大使・元岩手県立大学学長は「ウクライナ戦争と国連改革」において、ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、プーチン・ロシア大統領の外交手法は五大国にそぐわず、根本的な問題は安保理拒否権にあるとし、終戦に向けた役割の発揮を期待できるのは国連のみであるとした。米国のバイデン政権にもメルケル・ドイツ首相引退後のEUにも強力なリーダーシップが期待できないとして、改めて国連改革の必要性を強調した。また日本外交についても言及し、日本は国際社会に真に貢献している諸国との連携を強めるべきと訴えた。

 ウクライナ情勢に関連して、姫田小夏BIS理事・ダイヤモンド社オンライン編集部特派記者は「今なせドイツなのか」と題して、対ロシア制裁において西側の団結が求められているなかで、ショルツ首相が昨年11月に中国を電撃訪問するなど単独行動をとろうとするドイツについて取り上げた。ショルツ首相はメルケル前政権下で進んでいた経済面での中国の関係深化の見直しを図ったものの、現在はドイツ企業の利益のためにEUの利益に相反するかたちで中国のエコシステムへの統合を進めようとしているという。ただ、こうして自律性を失うことが長期的にはドイツ・EUの利益には相反するとして、ドイツがかつてエネルギー面でロシアに依存したことの教訓を思い出すべきと警鐘を鳴らした。

 未来の発展に向けたプロジェクトの経過報告もなされた。タイ王国の認可のもと現在同国南部で進めている全長108kmにおよぶ「タイ運河建設」プロジェクトを進める明川文保DEVNET INTERNATIONAL総裁から「21世紀夢のプロジェクト~タイ運河建設」 と題する報告が行われた。同プロジェクトはタイ王室からも巨額の資金提供を受けているが、欧州やアジア各国からも資金が集まっており、すでに300兆円相当の資金を確保したという。運河建設によって、太平洋とインド洋の航路が短くなるだけではない。同地には国際機関、各国の代表機関、タイの経済特区・保税区が集積する巨大都市の建設も計画されており、多様性をもった新たな国際都市の誕生も期待される。

 中川BIS理事長は「BISとグローバルビジネス」において、競争情報のコミュニティを立ち上げた経緯について、振り返りつつ紹介した。また、菅澤喜男元日本大学大学院教授なども同様にコミュニティの重要性を訴えた。今回の研究会には100名を超える参加者が集まり、活発な質問が寄せられたことからも、中川氏らの問題意識が多くの識者に共有されてきたことが実感できる。同研究会では、このほかにも、経済、環境・エネルギー、健康・医療まで幅広い議題について、発表が行われた。

【茅野 雅弘】

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