2024年05月11日( 土 )

木造住宅の建築から始まり、総合建設業者へと進化を続ける

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(株)OZ工務店

迫りくる困難な状況を
ビジネスチャンスに変換

(株)OZ工務店 代表取締役 小川和敏 氏
(株)OZ工務店
代表取締役 小川 和敏 氏

    (株)OZ工務店の代表取締役・小川和敏氏は、父親が大工だった関係で、子どものころから建設現場を見る機会が多かったという。高校卒業後、別の職業で就職したが、父親と同じ職業に就くことを決意、親方について修行の日々が続いた。そんなある日、高校時代からの友人に依頼され住宅建築を請け負ったのが独立の契機になったという。小川代表はそれまでは親方の指示のもと、部分的な仕事をするのみであったが、住宅を建てることを経験し、思ってもみなかったほどの面白さを感じた。そのとき、下請ではなく、土地の取得から設計・施工・アフターサービスに至るまで全工程をプロデュースしたいという気持ちが沸き起こる。

 1997年10月、小川工務店としてスタート。最初は規模の小さい仕事ばかりを受注していたが、着実に実績を積み重ねていくなかで年間の売上高が1億円、2億円と増えていった。創業時は木造の住宅建設を専門に行っていたが、年々、そのフィールドは拡大していき、小川工務店は2005年9月、OZ工務店と社名を改め、再スタートを切ることになる。

 社名のOZとは、「〜Offer Zone〜」の頭文字を意味しており、あらゆる建築物を地域(Zone) に提供(Offer)する工務店という思いが込められている。現在では、木造の戸建住宅、共同住宅、公共施設を始め、鉄骨造、RC造のビルやマンション、商業施設など幅広く手がけている。

2018年12月、城南区茶山に移転した社屋
2018年12月、城南区茶山に移転した社屋

    同社は公共事業も数多く手がけているが、公共事業を取り扱うにはさまざまな要件や基準があり、企業としての信頼がなければ受注することはできない。マンションやテナントビルなどの大規模案件では予算規模も億単位となるため、これまで培ってきた技術力をフル活用し、要望にきめ細かく対応している。

 「他社が積極的に手がけようとしない難しい案件を引き受けることで、施工力が向上。その結果、受注数が増えるようになり、事業の幅が広がりました」と語る小川代表。困難な状況においても、そこにビジネスの可能性を発見し、プラスの状況に変換する発想力の豊かさこそ同社の持ち味といえるだろう。21年12月には、事業持株会社(株)OZホールディングスを設立。近年需要が増大している鉄骨造やRC造の企画開発・販売を行うなど、多様な需要に柔軟に対応していく。

カビや感染菌の発生を抑える、
FCCテクノロジーを生かした住宅

カビや感染菌の発生を抑えるFCC住宅
カビや感染菌の発生を抑えるFCC住宅

    住宅の価値や品質はお洒落な間取りや最新の設備など目に見える要素のみによって決まるものではない。そこに住む人の健康を守ることも住宅を提供する業者にとって重要な課題である。人の皮膚は常在善玉菌によって守られているといわれるが、現在の多くの住宅は高気密・高断熱が主流であり、床材、壁クロスなどすべての内装には抗菌加工が施されている。従って室内は無菌状態に近い状態。とても清潔で優れた環境と思われるが、実はここに誤った認識が隠れている。このような環境で生活した場合、子どもにとって最も大切な抗体ができにくくなる可能性があり、乳幼児においては健全な成長を弱めるのではないかと懸念されている。抗菌加工を施すということは、数多くある善玉菌と悪玉菌の両方を抑え込むことを意味し、皮膚を守る常在善玉菌が減少することにより、アレルギーやアトピーの症状が悪化してしまう可能性がある。

 生涯で自分の身体に入るすべての物質(食べ物や飲み物など)のなんと56%が自宅で取り込まれているというデータがある。それほど、自宅の空気が人体に与える影響は大きい。

 同社が提供しているFFC免疫住宅とは、FFC(水溶性二量体鉄塩)テクノロジーを活用し、有害化学物質を分解除去、カビや感染菌などの病原性微生物の繁殖を抑制し、善玉常在菌を増加させ、悪玉菌を減少させる住宅だ。FFC免疫住宅のメリットとしては、マイナスイオン効果が働き、花粉症などのアレルギー症状が緩和される。アトピーの症状も緩和され肌をやさしく守るなどの効果が期待できる。さまざまな効果をもたらすFFCテクノロジーは同社が展開する建売住宅「リアン」シリーズに活用されている。ほかにもFFCテクノロジーは、教育施設(床・壁・机・椅子・テーブルなど)や医療施設(床・壁・ベッド・家具など)、医療家具(ベッド・家具など)、老人福祉施設(床・壁・ベッド・家具・カウンターなど)など、公共的な施設や家具などにも活用されている。

持続可能な社会の実現に向けて、
OZ工務店が掲げるSDGs宣言

 同社は国連が提唱するSDGsに賛同し、持続可能な社会の実現に向けて積極的に活動している。全17項目のなかの12項目に賛同し、3つの項目をひとまとめにした努力目標が4つ設定されている。「真面目に面白く、未来を創るサービスの提供」「自分も家族も、幸せになる企業へ」「明日が楽しみになる未来を創る事業活動」「〜Offer Zone〜地域に提供する工務店」の4つだが、2つ目の項目の具体的な取り組みとして、「多様な人材を受け入れ、活躍できる環境の整備」「従業員の健康やメンタルヘルスの向上、研修及び資格取得制度の整備」などを挙げており、より柔軟な人材活用や従業員のメンタルヘルス対策、資格取得のバックアップに取り組んでいく。そして、4つ目の項目の具体的な取り組みとして、「公共施設の建設等を通じた街づくり、地域貢献活動」「職場体験、現場見学等、自社事業を通じた地域貢献活動」を行うとしている。

 同社はこれまで業務の拡張や売上の増大といった社内の活動に目を向けがちであったが、今後はこのようなSDGsの具体的な内容の通り、総合建設業者として、人々の健康的な暮らしや地域社会の発展に向けて、大きく舵を切り替えようとしている。

若年層から熟年層まで幅広い世代が活躍
若年層から熟年層まで幅広い世代が活躍

<COMPANY INFORMATION> 
代 表:小川 和敏
所在地:福岡市城南区茶山4-3-36
設 立:2005年9月
資本金:3,230万円
TEL:092-836-5800
URL:https://www.ozkoumuten.co.jp

<RECRUIT> 
募集職種:施工管理
応募資格:専門卒、大学卒
採用実績:2023年度/3人  採用予定:3人
問合せ先:092-836-5800
採用担当:金丸


<プロフィール> 
小川 和敏
(おがわ・かずとし)
1967年3月生まれ。福岡市出身。福岡工業高校卒。1997年10月に小川工務店を創業。2005年9月に(有)OZ工務店に法人改組。07年11月に(株) OZ工務店に法人改組。趣味は食べ歩き。

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