2024年05月10日( 金 )

障がい者グループホーム事業を中核とする福祉のまちづくりで際立つ存在感

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(株)スエナガ

障がいを持つ人だけでなく、
その家族も安心を提供できる場をつくる

 福岡市を中心に、戸建賃貸や賃貸マンション、医療・介護・福祉施設などの建築工事のほか、リフォーム・リノベーションなどで高い定評を得てきた(株)スエナガ。近年は福祉分野、なかでも障がい者向けグループホームの事業に注力し業績を伸ばし、その存在感が際立っている。また、SNSなどを積極的に活用し、金融機関や協力事業者、各地域の人々とのコミュニケーションを密にするなどの独自の取り組みにより、事業拡大のみならず、人材確保にもつなげているユニークな事業者でもある。

 同社では2014年7月の設立当初から、土地活用事業の一環として、医療・介護・福祉施設の供給を手がけていた。そのなかにはパーキンソン病専門老人ホームなどの特殊な分野の施設建設もある。一方で、主力事業として賃貸マンションの供給も行っていたが、同業他社との競合が激化。そこで注目したのが、医療・介護・福祉施設事業を展開するなかで判明した、障がい者向けグループホームの可能性だった。

(株)スエナガ 出口洋一社長
(株)スエナガ
出口 洋一 社長

    福岡市には約7万人の障がい者を持つ人々がいる一方で、受け入れ可能な施設は不足している状態が続いている。仮に受け入れられる施設があったとしても福祉向けではない既存の建物を活用したものが多く、利用者にとって決して良い環境とはいえない状況だった。出口洋一社長は「そうしたことを知り、受け入れが可能な施設を増やし、障がい者はもちろん、その家族も安心してもらえる環境の整備に努めたいと考えたのが、この事業へ取り組み始めたキッカケ」と話す。

自社運営施設「YOKATOKO」を
福岡市内で5カ所運営

「YOKATOKO下山門」の外観
「YOKATOKO下山門」の外観

 第1号となったのが、20年4月に竣工し6月に運営を開始した生活介護・放課後等デイサービス・児童発達支援施設「多機能型事業所シンフォニー」(福岡市早良区有田:平屋建て)。そして、第2弾として日中サービス支援型障がい者グループホーム「YOKATOKO(コカトコ)野多目」(福岡市南区野多目)を22年5月にオープンさせ、その後、「YOKATOKO」は現在5カ所で開業。さらに数カ所で建設工事が行われている。直近では今年5月1日、「YOKATOKO下山門」(福岡市西区下山門)がオープン。居室20室と10室の合計2棟(合計延床面積約140坪)からなり、同社としては過去最大規模の施設。「当社では、障がい者向けグループホームを中核に、医療・介護施設と連携する『福祉のまちづくり』を展開することで、地域社会に貢献する企業を目指しています」と、出口社長は語る。

内覧会の様子
内覧会の様子

     さて、グループホームのオープン前には内覧会が実施され、利用希望者やその家族、周辺地域の住民に対して建物の間取りや居室、設備、サービスの紹介などが行われる。ただ、内覧会の役割はそれだけではない。建設に携わった金融機関や不動産事業者、施工店ら協業する企業など多くの関係者も訪れ、そこで積極的なコミュニケーションが行われるのである。「一般来場者、金融機関関係者、協力業者の3種類のLINE登録コーナーを設け、『ともだち』になった方々にそれぞれに合わせた情報を発信することで、当社への理解を深めてもらえるよう工夫しています」(出口社長)という。ちなみに、情報発信はLINEだけに止まらない。

 「当社では障がい者向けグループホームや有料老人ホームなどにおける、さまざまな人材を必要としています。そこで注力したのが、InstagramやYouTubeを活用した情報発信です。それにより、当社の事業の方向性や雰囲気をできるだけ身近に感じていただけるよう努めています。おかげで、以前に比べて採用活動をスムーズに行えるようになりました」(出口社長)。

SNSを駆使した仲間づくりを
効率的な事業運営にも役立てる

「YOKATOKO」でのサービスも紹介
「YOKATOKO」でのサービスも紹介

    話を協業する事業者との関係づくりに戻すと、このような積極的なコミュニケーション戦略を展開するのは、事業全体の効率化を図るためだ。たとえば、グループホームなどの新規出店計画。「従来は『空いている土地』の情報を紹介していただくことがほとんどでしたが、あらかじめこちらから『ここに出たい』という場所をピックアップし、不動産業者や金融機関にお知らせすることで、それに合わせた精度の高い、事業化につながりやすい土地情報を提供していただけるようになり、結果的に事業をより円滑に進められるようになりました」という。

 つまり、SNSの駆使や内覧会での交流によって、より幅広い人たちを巻き込むことで、余計な営業コストをかけることなく、その分を質の高い建物およびサービスの提供につなげるといった好循環を生み出しているというわけだ。スエナガにおいては「営業職」はほんの一握りの人数しか存在せず、その仕事は内覧会の質を高めることなのだという。グループホーム事業は賃貸住宅事業の延長線上にあり、それゆえ、この分野への進出を目論む企業もあるというが、スエナガが展開している事業レベルにまで追いつくのは相当難しいものと思われる。

 著しく成長を続けるスエナガ。出口社長は「現状に満足することなく、一歩先の提案を実現できるように、日々さまざまな業務の在り方について研究・開発を貪欲に続けていきます。そのためにも当社のファンづくりにより積極的に取り組んでいきますし、そうした姿勢に共感してくれる仲間についても採用などをして増やしていきたいです」と話す。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:出口 洋一
所在地:福岡市城南区堤1-13-30
設 立:2014年7月
資本金:3,700万円
TEL:092-874-4545
URL:https://sda-suenaga.co.jp

<RECRUIT> 
募集職種:生活支援員(正社員・パート)
応募資格:未経験歓迎!!資格支援制度あり!
採用実績:2022年度/33人
採用予定:10人程度
問合せ先:092-874-4545
採用担当:総務 城戸
URL :https://suenaga-saiyou.com/
Instagram:https://www.instagram.com/suenaga_sda/


<プロフィール> 
出口 洋一
(でぐち・よういち)
1962年8月生まれ、長崎県佐世保市出身。佐世保工業高等学校卒業。(株)末永工務店に34年勤務し、一貫して技術畑を歩む。2014年12月に退職後、15年1月に(株)スエナガを設立し、代表取締役に就任。

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