わらび座ミュージカル「ジパング青春記」特設ページ
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2018年04月04日 07:02

(株)アダル、武野重美会長が見た上海の「いま」(5)

中国のベネチア、鳥鎮

 1時間の工場視察を終えて車で40分の場所にある浙江省北部嘉興市桐郷市にある鳥鎮という観光地に向かう。上海からバスで2時間弱という交通の便の良さと宿泊場所の充実が手伝って最近、観光客が増大しており日本からの団体ツアーも増えているそうだ。

 上海・蘇州・杭州の三角点の中心に位置しており大運河の畔に面していて、小さい水路が縦横無尽に流れているのだ。その水路沿いに1300年前の街並みが残っていた。この場所を中国政府の肝入りでリゾート拠点として再開発に注力されたことで、この場所は注目されるようになった。

 また、歴史的遺産の復元という枠を超えて、現代社会の最先端モデル地区として建設されたという意味合いもある。IT政策を推進するため、「世界インターネット大会」も開催された。さらに烏鎮には国家会展中心(国立コンベンションセンター)も置かれているのである。ある意味では国家主導でスマートシティを具現化した、期待の地域といえるだろう。

 経済発展してきた上海・中国において現在、人民の憩いとなるオアシスの空間のインフラ充実に力点が置かれている。日本人にはあまり馴染みがないが、揚子江河口に崇明島という島がある。広さは1225キロm2あり福岡市の3.5倍ある。この島には80万人の人が住んでいる。2002年ラムサール条約の登録地になった。鳥類自然保護区には上海の大量の市民がバードウォチングに押しかけている光景を目の当たりにしたことがあった。経済発展の恩恵を受けた庶民たちは自然に対する強い渇望感を抱いているのだ。

松江地区の変貌

 2日目14日9時に武野社長夫婦がホテルへ迎えに来られる。現在の工場は10年前にオープンした。別会社として運営されているが、野中氏にしてみると上海に2つ目の工場を建設したことになる。場所は上海松江区。上海中心から南へ30キロ。2000年当時は松江区の大半は田んぼだらけであったそうだ。上海政府がこの場所を工場開発区として指定したのが1995年前後であった。

 ここに知人の日本企業の経営者が工場団地に入居しようとしていた。しかし、事業の将来を鑑みて「見通しが暗い」と判断して上海から撤退することにした。「ぜひ、あとを引き継いでくれないか」という必死の嘆願を受けたのだ。武野氏もこの先の自分の事業展開案と照らしながら苦慮したが、結果は引き受けることを決断したのである。

 2005年に新工場が落成した。土地利用権80年契約で3億5,000万を納めた。建設投資額5億円を投入して本社機能の場所と工場2棟を立ち上げた。その時のオープニングセレモニーに筆者は参加したのである。当時、見渡すかぎり田畑ばかりで住居地区が転々と見かける程度のド田舎であった。工場周りの道路はようやくアスファルトが敷き詰められる段階で、歩くと靴が汚れる始末。

 ところがどうだ!!現在の光景は!!工場の周辺には20階建て以上のマンションが林立している。まさしく上海南部での中心新興住宅街になっているのだ。工場がマンション群に取り囲まれている感じといえる。住宅街の周囲にはモールなどの商業施設が次々と建設されている。わずか10年で上海の南部の田舎・松江区がこれだけの新興住宅街に発展するとはまさしく驚きである。日本ではこのように短期間で変貌する可能性のある場所はない。

 上海市政府は環境汚染撲滅のために素材加工産業を市内から一掃しようとしてきた。その政策の一環として松江区のこの工業団地からの立ち退き命令が下された。また「松江区を従来通りの工場地区と指定するのはもったいない」という政治判断も加わったのだろう。一見、強権的発動と見受けられる。ところが後から住み着き始めた住民たちからは、この政策を支持している。「近所に工場敷地があると汚い」という本音を抱いているからである。

 上海・北京の市街地から素材加工産業とか大気汚染産業などを放逐する強権的政策が推進されている。この政策の影響かどうか定かではないが、上海・北京の大気状況は改善されている。上海滞在期間3日間で2日間は青空が覗かれた。

(つづく)

(株)データ・マックスが主催する「MAX倶楽部NEXT」では5月8日(火)午後5時から、データ・マックスセミナー室(福岡市博多区中洲中島町2-3福岡フジランドビル8F)にて(株)アダルの武野重美代表取締役会長の特別講演会を開催。
中国進出から20年、集大成として新たに開設する新工場への想いを語ってもらう。

参加申し込みはこちらをダウンロードしてプリントアウト、必要事項をご記入の上
FAX:092‐262‐3389
までお送りください。

 
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