2024年04月29日( 月 )

アビスパ、先制許すも鮮やか3連発で快勝! 柏1-3福岡

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サッカー イメージ    サッカーJ1リーグアビスパ福岡は23日、アウェーの三協フロンテア柏スタジアムで柏レイソルと第28節の試合を行った。

 順位表では8位のアビスパに対して柏は16位と大きく差が開いているが、両者とも2連勝で迎えたこの試合。先にゲームを動かしたのは、ホームの柏レイソルだった。

 13分、柏はコーナーキックのチャンス。FWマテウス・サヴィオの蹴ったボールは大外でマークを外したDFジエゴの頭にドンピシャリ。柏が先制し、押し気味のまま前半が終了する。

 後半開始から、アビスパ長谷部茂利監督が動く。DF湯澤聖人を投入して右サイドに配し、DF前嶋洋太を左サイドにポジションチェンジ。この交代が流れを完全に変え、アビスパが完全に試合を支配する。

 54分、左サイドで高い位置を取ったDF宮大樹がMF前寛之にパス。MF前からMF金森健志、FW山岸祐也、MF紺野和也とダイレクトパスが完璧につながり、紺野が鮮やかな左足シュートを沈める。紺野はブロックを試みたDFジエゴの股を抜く、心憎いばかりの冷静さを見せてくれた。

 さらに2分後、56分。中盤での激しい競り合いからDF前嶋が前方にボールを送り、これを受けたFW山岸が落ち着いて右サイドにスルーパス。ここにはまたもMF紺野が走りこんでいた。紺野が利き足の左ではなく右足を鋭く振り抜くと、シュートは柏GK 松本健太の頭上を破り、ゴール天井に突き刺さった。あっという間に逆転をはたしたのだ。

 まだアビスパの時間は終わらない。65分、FW山岸がセンターライン付近で競り勝ち、ボールを右サイドに送る。パスを受けたMF紺野がゴール前のMF金森にグラウンダーのクロスを供給。これは柏DF犬飼智也がカットしたかに見えたが、その犬飼に襲いかかっていたのが金森だった。一瞬でボールを奪いGKとの一対一になると、金森は右足アウトサイドにかけたシュートをゴールに流し込み、ダメ押しの3点目を奪った。

 この後柏はMF小屋松知哉、FW武藤雄樹をピッチに送り込むが、アビスパの優位は動かない。前半はシュート一本と流れに乗れなかったアビスパが、後半はシュート5本で3点を挙げる猛攻で柏を圧倒した。

 「泥くさく守り、素早いカウンターで仕留める」というこれまでのスタイルに加え、鮮やかな連携でゴールに迫る攻撃サッカーも見せてくれたアビスパ。柏との対戦を終えて順位は8位、勝ち点は44となった。順位こそ8位のままだが、7位のサンフレッチェ広島とは勝ち点差なし。ACL(アジアチャンピオンズリーグ)出場権を争う3位浦和レッズは勝ち点49と、いよいよ「アビスパのアジア進出」が現実味を帯びてきた。

 また、天皇杯とルヴァンカップの両カップ戦で準決勝に残っているのはアビスパだけ。天皇杯で優勝すれば、こちらもACLへの出場権獲得となる。

 まだ「捕らぬ狸の皮算用」をする時期ではないのはもちろんだ。だが、今年のアビスパが発揮するパフォーマンスを見ていると、そんな夢を見てしまうのも不思議ではない。いや、夢ではなく、もう実際に手がかかるところまできているのだ。

 柏戦では、アウェー会場にもかかわらずアビスパサポーターたちの熱い声が響きわたっていた。ホームのベスト電器スタジアムでは、試合を重ねるごとに情熱のボルテージが上がっていることを肌で感じることができる。

 福岡が、アビスパが日本一に。今、そのチャンスがどんどん大きくなっている。皆さんも、ぜひベススタに足を運び、その目撃者になってほしい。

【深水 央】

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