2024年04月29日( 月 )

岸田首相が破れかぶれ解散で退陣

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は、「日本衰退の現実を直視せず有効な経済政策を打たない岸田首相に、次の選挙で退陣を突きつける必要がある」と主張する10月4日付の記事を紹介する。

 今年も残すところ3カ月。

 岸田内閣が発足して2年の時間が無為に経過した。コロナ禍からようやく解放され、日本経済が飛躍できる環境だったが日中関係を著しく悪化させて経済浮上が遠のいた。

 岸田内閣は福島原発の処理後汚染水の海洋投棄を強行した。IAEAで中国だけが反対との報道がなされているが、9月22日の国連総会ではソロモン諸島のソガバレ首相が一般討論演説で演説し、福島第一原発の処理後汚染水の海洋投棄を批判し、即時停止を求めた。日本国内でも多数の有識者、市民が処理後汚染水海洋投棄に反対している。

 最大の理由は処理後汚染水海洋投棄を東京電力に丸投げしていること。東電はこれまで原発関連のさまざまな不祥事を隠蔽してきた歴史をもつ。処理後汚染水の海洋投棄という重大行為については、そのプロセスを外部から完全に監視できる体制を整えることが必要不可欠。すべてを東電に丸投げし、問題なく実施すると説明されても、信用できないのが当たりまえ。中国に対する事前の説明も不十分だった。

 日本円が暴落しているいま、日本経済を支える唯一の望みの綱は外国人による日本国内での消費だ。日中関係悪化は日本国内における外国人消費拡大の機会を逸失させるものだ。日本円暴落で恩恵を得るのは輸出製造業だけだ。消費者は暴騰する外国産製品の購入を強要され、一段と深刻な生活苦に追い込まれている。

 岸田首相は昨年5月に英国を訪問して現地で講演した。その際に、「日本経済はこれからも力強く成長を続ける」と述べた。

 しかし、日本経済がこれまでに力強く成長した事実は存在しない。このような、誰にでもわかるウソを海外に発信しては日本の信用がなくなる。すでに信用されていないから変わりがないとの声もあるが、誠に残念なことだ。

 ドル表示の日本の名目GDPは1995年水準を100としたときに2020年の水準は91である。25年間の日本経済成長率はマイナスである。同じ期間に中国のGDPは20倍に拡大した。米国のGDPは約3倍に拡大した。日本経済だけがまったく成長できない25年を経過した。

 日本の衰退は著しい。経済成長から完全に取り残された国。これが日本の現実だが、そのなかでとりわけ深刻な状況に追い込まれたのが日本の労働者=生活者=消費者である。日本の労働者1人あたりの実質賃金は1996年から2022年までの26年間に14.4%減少した。GDPは横ばいだが労働者の実質賃金は14.4%減少した

 日本は世界最悪の賃金減少国に転落したのである。

※続きは10月4日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「岸田首相が破れかぶれ解散で退陣」で。


▼関連リンク
植草一秀の『知られざる真実』

関連記事