2024年02月27日( 火 )

多様な特性を内包するエリア・小倉(2)

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五市合併で北九州市誕生 小倉はその中心的存在へ

 戦後の北九州エリアは急速な復興・発展を遂げていくことになるが、それを支えたのは、八幡製鐵所の存在だった。GHQの占領下において、政府が経済復興のために実施した経済政策「傾斜生産方式」によって、全国の鉄鋼生産が八幡製鐵所に集中。さらに、50年6月に勃発した朝鮮戦争による特需も加わり、50年代には工業用水の確保や港の改良、鉄道や道路などのインフラ整備が進んで工業が急速に発展していった。その結果、北九州エリア一帯は日本の四大工業地帯の一角「北九州工業地帯」として全国にその名を馳せ、重化学工業を中心に日本の近代化・高度経済成長の牽引役をはたした。

 なお、小倉では終戦直後から米軍・第二十四団が進駐。大手町の造兵廠跡地や山田弾薬庫などが接収された。一方で、小倉の街中も順調に戦後復興を遂げていき、次第に賑わいを取り戻していった。48年7月に小倉豊楽園球場が開場されたほか、同年11月には日本初の競輪場である「小倉競輪場」が開設。58年3月には国鉄小倉駅が現在地に移転し、商業施設の「小倉駅ビルデパート」と「小倉ステーションホテル」が営業を開始した。なお、この小倉駅の移転にともない、現在の新幹線口付近にあった豊楽園球場が閉鎖され、新球場として同年4月に小倉市営野球場(現・北九州市民球場)が開場している。そして、米軍に接収されていた小倉城内が57年に解除されたことで、59年に市民の熱望によって小倉城の天守閣が再建された。なお、この天守閣はRC造で再建されたレプリカであり、城の見栄えを重視して大入母屋破風や千鳥破風、唐破風などが追加されたことで、史実にある本来の姿とは大きく異なる外観をしているが、今なお小倉および北九州市のシンボルとして親しまれている。

 そして63年2月に門司市、小倉市、若松市、八幡市、戸畑市の五市が合併し、九州初の政令指定都市「北九州市」が誕生。このとき小倉市は小倉区となった。なお、北九州市の発足当初は、旧戸畑市役所を本庁舎としていたが、老朽化が進み狭隘であったことから、小倉城近くの現在地に新市庁舎を新設・移転することが決定。現在の北九州市役所が70年12月に着工し、72年4月に開庁した後、戸畑区で行われていた北九州市の業務が小倉区に移管され、小倉が名実ともに北九州市の中心となった。その後、74年4月に小倉区が分区され、小倉北区と小倉南区がそれぞれ誕生した。

 こうした政令市化の勢いに乗って、小倉エリアでは徳力団地をはじめ、志徳団地や守恒団地などの日本住宅公団(現・都市再生機構/UR)による大規模な公団住宅の開発が進行。その周辺エリアでも、宅地開発が盛んになっていった。

 75年3月には山陽新幹線の岡山~博多間が開業。小倉駅にも新幹線が停車するようになった。一方で、76年7月には北九州高速鉄道(株)が設立され、同年12月に軌道特許を取得。85年1月には北九州モノレールの小倉駅(現・平和通駅)~企救丘駅間が開業した。ただし、開業時は国鉄(現・JR)小倉駅に乗り入れていなかったため、モノレールの利用客数が予想を大きく下回り、長期間にわたる赤字の原因となっていた。その後、98年4月に小倉駅ビルに乗り入れるかたちで延伸し、それまでの小倉駅が平和通駅に改称された。なお、このときに旧小倉駅ビルである「小倉ステーションビル」が建替えられ、98年3月にJR九州が同社の主要駅で展開するファッションビル「アミュプラザ」シリーズの1号店として「アミュプラザ小倉」が開業している。

 小倉の都心部ではほかに、小倉駅北側の臨海部で90年10月に「北九州国際会議場」が開場したほか、93年4月に「リーガロイヤルホテル小倉」、98年4月に「アジア太平洋インポートマート(AIM)」がオープン。また、2000年11月に西鉄北九州線砂津車庫跡地で複合商業施設「チャチャタウン小倉」が開業したほか、03年4月に小倉玉屋、ダイエー小倉店、旧小倉北区役所の跡地で行われた「室町一丁目地区第一種市街地再開発事業」により、大型複合商業施設「リバーウォーク北九州」が開業した。その後、12年4月の商業施設「あるあるCity」や、17年2月の「ミクニワールドスタジアム北九州」のオープンなどを経て、現在に至っている。

(つづく)

【坂田 憲治】

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