2024年05月12日( 日 )

魅力ある企業・業界を目指し、Park-PFI事業にも参画

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木下緑化建設(株)
代表取締役社長 木下 浩市 氏

木下緑化建設(株) 代表取締役社長 木下浩市 氏

 木下緑化建設(株)・木下浩市社長は2023年4月、造園業界への長年にわたる貢献により「令和5年春の褒章」において黄綬褒章を受章した。そこで、受章にあたっての想い、今後の自社や業界の在り方について、話を聞いた。木下社長は「若者にとって魅力のある企業、造園業界にするため、これからも自分なりに努力していきたい」と力強く語った。
(聞き手:(株)データ・マックス 代表取締役会長 児玉 直)

新たな業界像目指して

受章当時の様子
受章当時の様子

    ──黄綬褒章の受章、おめでとうございます。

 木下 ありがとうございます。5月15日に伝達式に参列するとともに、拝謁を賜りました。午後1時過ぎに国土交通省で斉藤鉄夫大臣から伝達を受け、その後3時頃にバスに乗り、4時に皇居に到着、拝謁が行われるという流れでした。一生に一度あるかないかのこと。半日が慌ただしく過ぎていったという印象でした。支えていただいた方々へ、感謝の思いでいっぱいです。これを機に、会社経営や造園業をより良いものにするべく、取り組んでいこうと考えております。

 ──木下社長は会社経営の傍ら、3期6年間にわたって(公社)福岡県造園協会理事長を務められましたが、造園業の現状とこれからについて、どのように見ておられますか。

 木下 造園会社の経営スタイルはいまだに、親方が現場作業から営業、打ち合わせなど何でも行うのが一般的ですが、このままでは将来の会社、業界の発展は見込めません。組織、社員が自ら考えて事業に取り組むような体制づくりが求められますし、少なくとも当社については、そのような会社を目指しています。幸いなことに、造園業―「緑の仕事」に憧れをもってくれる人が一定数いらっしゃいます。そうした人たちから「あの会社で働きたい」と言ってもらえる、若者が魅力を感じる会社にしたいと考えています。業界全体も、そのように変わっていく必要があります。

 ──その想いは、かたちになりつつあるのでしょうか。

 木下 当社ではこのところ、施主などから「どの段階から仕事を一緒にできますか」という問い合わせをいただくことが増えてきました。通常の造園工事では、彼らが用意している設計図に沿った提案を行うわけですが、早い段階からご相談をいただくことで、より創造性が高い緑化工事を提案、実現することが可能になります。そうしたことを期待されてのことだと思われ、それが「かたちになりつつある」ことですね。

 また、当社ではかねてから、公園がまちづくりの拠点となるパークマネジメントに取り組んでいます。春日公園(春日市)、桧原運動公園と花畑園芸公園(いずれも福岡市南区)、今宿野外活動センター(同西区)において指定管理者として携わるパークマネジメントがそれにあたりますが、そうした取り組みも評価されたものと思われます。

公園の役割と活用法

リニューアル後の明治公園のイメージ
リニューアル後の明治公園のイメージ

 ──御社は先日、福岡市が行うPark-PFI事業の公園整備・管理運営を行う事業者になることが決定しましたね。

 木下 今年度は3カ所で行われるものですが、当社は明治公園と東平尾公園(いずれも福岡市博多区)の2カ所に関わることになりました。前者は東京建物(株)を代表とする企業グループ、後者は大和リース(株)福岡支社を代表とする企業グループがそれぞれ優先交渉権を獲得したものです。Park-PFI事業に応募する場合、官民連携事業の実績があり「Aクラス」評価を得ている造園会社がコンソーシアムに入っていることが評価の1つになるため、当社にお声がけいただいたわけですが、やはり指定管理者としての実績があることが強く影響したものと見られます。

リニューアル後の東平尾公園のイメージ
リニューアル後の東平尾公園のイメージ

 ──今後、御社にとってPark-PFI事業はどのような位置づけになっていくのでしょうか。

 木下 Park-PFI事業は今後、公園の主要な整備手法になっていくものと思います。既存の造園・緑化事業、商業・オフィスビルなどの都市緑化事業(屋上・壁面含む)、リサイクル事業(木くず・草の破砕及び堆肥製造)などとともに、当社の柱になる事業としたいですね。公園の役割は大きく変わっています。街なかにある公園は緑化された商業施設に生まれ変わり、海岸沿いにある公園はイベントスペースに生まれ変わるなどといった事例が増えてきそうです。住宅地にある公園も、少子高齢化でこれまでとは異なる役割、活用方法が検討されるでしょう。こういったものに当社が関わることで、地域貢献をはたしていきたいと考えています。

【文・構成:田中 直輝】


<COMPANY INFORMATION>
木下緑化建設(株)

代 表:木下 浩市
所在地:福岡市南区長丘3-13-27
設 立:1967年2月
資本金:4,500万円
URL:https://kinoshitaryokuka.co.jp

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