2024年12月12日( 木 )

【2024年 年頭所感】庇護してくれるのは母国のみ その亡国の推移をただ傍観するのみか!

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 コロナ蔓延時、「グローバル化」は幻想であると木端微塵に粉砕された。海外で暮らしていた日本人の相当数が、「非常事態の際にはどの国でも外国人への対応が無頓着になる。とても暮らすことができない」と身の不安を感じ、顔色を変えて帰国したのである。それで緊迫感から解放され、「母国の有難さが身に染みた」と我が故郷(出生国)に感謝している帰国者5名からそうした証言を聞いたことがある。

驚異的な人口減

朝日が水平線から・・・    その頼りとされる母国の没落に歯止めがかからない。自ら亡国の道を選択しているのだ。人々が結婚せず、母国の人口を激減させる方向に向かっているのである。ある調査会社発表の予測によると、2050年の日本の人口は約1億400万人という。しかし、筆者の肌感覚でいえば、間違いなく1億人の大台を割るはずだ。子孫を増やすことを忘却した種族はこの世から消滅する。人間は生物の種の1つであるということをよく理解しておくべきである。

 日本の衰退について腹落ちするのは難しい。海外に滞在していた日本人たちは母国の有難みを知った。一方で母国に居住している人々はその有難みを理解できていない。有難みのあるこの国を繁栄させるために子孫を残すことから逃避している。加えて、日本では30年間、実質所得が増加していない。専門的なスキルを多少なりとも身につけた若年層は海外へ出稼ぎに行くようになった。若い知人の1人はオーストラリアへ向かった。この青年は次のように動機を語る。「年収800万円の職場を確保した。福岡では稼げない」。人口減とは国内市場が縮小していくということをしっかりと認識すべきである。

日韓相互訪問に大きな開き

 福岡市内のいたるところで観光客に遭遇する。そのうち、かなりの部分を韓国人が占めている。個人旅行客が中心で、小人数であちこちを回っている。23年1〜9月の訪日外国人旅行者数は1,737万4,300人で、日本からの出国数671万1,700人の約2.6倍だ【表】。韓国からは489万4,800人、日本から韓国へは158万7,146人である。韓国の人口は約5,000万人、日本の約40%であるが、相互の訪問者数で見ると韓国は日本の約3.1倍だ。1人あたりなら約8倍の差がつく。海外旅行の回数は豊かさのバロメーターの重要な指標の1つと言える。

東南アジア中産階級の
海外旅行ラッシュ

 今後も東南アジアからの訪日旅行ラッシュが予想される。インドネシアやマレーシア、タイ、ベトナムなどが筆頭である。ただ、インバウンドといえば以前は爆買いが想起されたが、現在では安さをウリにしたものではなくなりつつある。

 観光業関係者によると、インドネシアから「16人でゴルフをするからゴルフ場の予約を頼む」とか「10日間で九州の有名な温泉をタクシーで回りたい」という要望が続出しているとか。富裕層が地方を回遊するのであれば顧客を歓待するスキルはレベルアップするであろう。結構なことである。

 インバウンドの人気は九州観光が評判になったからではなく(もちろん、多少は評価されている)、最大の要因は円安である。1ドル=150円であれば「日本旅行は安い」とその廉価さが人気になる。これもまた日本の経済力の転落を示す指標といえる。以前であれば「韓国からお客さんが押し寄せてきており、このお返しに我々も韓国にお邪魔しよう」という意気込みがあったが、現在ではその動きすらない。

稼ぐ製造業が稀有に

 ダイハツ工業(株)のリコールが始まった。この悪辣な検査不正の始まりは30年前に遡るとか。日本の製造業も良心を失い、国際競争において敗退していくことが明確になってきた。

 年末に取材した繊維問屋は女性用衣服のメーカーに変貌している。10年前からインドに製造を委託している。経営者から「日本全国津々浦々探しても、衣料を製造する工場は見当たらない」と聞き、驚くとともに嘆きたくなった。日本には「製造業で稼げる業種がない」との危機感を強く抱いた。

裏金づくりが日本を潰す

 今回の裏金づくり、無税資金隠しの自民党(ほかの政党も同じであろうが)の政治家たちの動向を見て、あることが判明した。連中は「国民たちのために」という使命感をまったく持たず、「国づくりにどう役に立てばよいか」という理念の欠片も持ち合わせていないということだ。また勉強もしていないから得意とする専門分野も身につけていない政治屋にすぎない。今までは政治家たちが愚劣で無能であっても官僚が補佐しカバーしてきたのであるが、官僚たちも劣化してきており救いようがなくなってきた。

 ここは市民が心の底から怒りを爆発させ、行動に踏み切るときである。選挙において政権交代をもたらすことが先決だ。一方で明るい動きもある。参政党は次期衆議院総選挙において九州地区に20名の候補者を立てることにしている。選挙費用として、1人あたり選挙保証金300万円、選挙活動資金800万円の計1,100万円の予算を組む。20名で2億2,000万円の資金が必要となる。この資金の大半は党費で賄うという。支援者が資金(党費を含む)を提供し、ボランティアが支援活動を展開してくれる。こういう行動的な市民たちが増えれば、日本の未来は多少なりとも明るくなるのであるが・・・。

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