2024年10月04日( 金 )

創業者を解任したディーノシステム、新体制に売却の方針?

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fukei_fukuoka1 経営者のインタビュー動画を掲載した『社長.tv』を全国展開した(株)ディーノシステムが大きな岐路に立たされている。創業者である中島一明氏は、株主によって今年(2015)4月29日に解任され、同日、現代表の山田文彦氏が就任。同社の実質的な拠点も福岡市から東京都に移転した。

 将来有望な起業家として、福岡の地元経営者の期待が寄せられていた中島氏。経営者のインタビュー動画は、同氏を応援する有力経営者からの後押しも受けて、まず、福岡で拡大。その後、全国に展開し、14年4月には掲載件数が5,000件を超えていた。今年2月にはサイト名を「Buzip」(ビジップ)に変更。それに先がけて、経営者の動画以外にもコンテンツを充実させるといった方針を中島社長が講演などで意欲的に語っており、今回の代表交代が突然のものであったことがうかがえる。

 代表交代の背景にあるのは、同社躍進の陰に隠れていた財務状況の悪化だ。同社は13年11月期に最終損失4億8,743万円を計上。3億6,505万円の債務超過となった。そして、中島氏は財務弱体化の責任を負い、14年8月、愛知県と栃木県でパチンコ店を経営する(株)イクサム(本社:愛知県丹羽郡)に、保有株式(4万1,398株)を譲渡。その後、経営方針をめぐって意見がわかれ、オーナーとなったイクサムは、株主権限を行使し、中島氏を解任した。

 14年11月期は、売上高4億2,771万円、最終利益3,561万円を計上。業績は復調していると思われる。今回の代表交代についてイクサムおよび山田氏はノーコメント。ただし、同社に近い関係者は、「中島氏とともに『社長.tv』を築いた創業メンバーは会社を離れている。現体制にはサイトへの愛着はなく、落ち着いたところで手放す(売却)の考えがあるのではないだろうか」と話す。

 

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