2024年06月15日( 土 )

「災害対応」「うきはテロワール」など 3期12年の実績を振り返る(前)

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うきは市長 髙木 典雄 氏

 任期満了にともなう、うきは市長選挙が6月30日に予定されている。不出馬の意向を示している髙木典雄市長に、12年間の実績と不出馬の理由などを聞いた。
(聞き手:(株)データ・マックス 代表取締役会長 児玉 直)

就任と同時に復興・復旧に奔走

うきは市長 髙木典雄 氏
うきは市長 髙木 典雄 氏

    ──市長在任の3期12年間を振り返ってみていかかでしょうか。

 髙木典雄氏(以下、髙木) 2012年7月15日に初めて市長に就任しました。選挙戦では、「うきは市にあるものを生かす」を旗印に戦ってきました。うきは市には地元の方が思っている以上に数多くのすばらしい地域資源や歴史資源があります。それらを掘り起こし、ブラッシュアップして、市民の皆さまの町おこしへの機運を高めるというのが市長に立候補した動機であり、市政の大きな方針でした。

 しかし、市長就任前日に九州北部豪雨が発生し、うきは市でも尊い命が失われるなど甚大な被害を受けました。当時、約50億円の被害金額が報告され、これは市の独自財源の2年分にあたる金額でしたので、国や県にと走り回り助成金のお願いをしました。就任後の3年間は、政策目標として掲げていたことを封印し、市民の負担をいかに少なくして短期間で復旧・復興を行えるかを考え、実行することに尽力して参りました。

 市長就任前は国の組織に勤務していました。これまでの経験や人脈もありましたので、ポイントを押さえた要望ができたのではないかと思っております。また、激甚災害の指定を受けまして通常5年以内に復興をやり遂げなければなりませんが、3年でおおよそのメドを付けることができたと自負しておりますし、記憶に残るところでもあります。

その後も続く災害対応

 ──毎年のように大雨災害が続いています。

 髙木 その後は、大きな災害はありませんでしたが、17年に隣の朝倉市を中心とした九州北部豪雨が発生しました。朝倉市ほど被害は大きくありませんでしたが、うきは市も被害を受けました。

 それから22年を除く23年までの6年間は大雨特別警報が出るなどしたため、災害対策に明け暮れました。とくに23年7月10日に発生した豪雨により大きな被害を受けました。久留米市田主丸の竹野地区では大規模な土石流が発生し、尊い人命が失われるなど大きな被害がでました。あのときの竹野地区の時間雨量は91.5mmだったのですが、うきは市では105mmという雨が7時間に渡り降り続きました。

 この災害では、市内全域で道路や河川などの被害が345カ所、農地や農業用施設、林道関係では299カ所もの被害が出ました。昨年暮れに国の災害指定をすべて受けることができましたので、今年から順次復旧工事に入り、今年度中にはすべての復旧工事が完了するメドがたちました。

 また、この災害を機に、国、県、久留米市、うきは市で連携協議会を立ち上げて昨年11月には巨瀬川流域緊急治水対策プロジェクトをまとめることができました。そのなかで巨瀬川の河道掘削、浚渫の方法や堤防を高くするなどの抜本的な河川改修事業を、昨年から5年かけてやり遂げようという方針が決まりました。

 毎年のように水害が続いています。やはり国土交通省の方がいわれるように人間の力を過信して降った雨を川に閉じ込めようという考えでは限界がある。従って、流域治水が重要になってきます。

 うきは市の半分が森林です。完全に水害を防ぐことはできません。降った雨をいったん地下に浸透させ時間差をつくるようにすれば減災につながります。データによると、降った雨の約30%が蒸発し、55%は川から海に流れ込んで、残りの15%が地下に浸水するそうです。

 2000年前の弥生時代では降った雨の30%が蒸発するのはほぼ変わりませんが、川に流れるのは50%にとどまり、20%が地下に浸水していたのではないかと考えられています。建物やアスファルト舗装のような障害もなく地下浸水ができていたことでしょう。もっと原点に戻って、降った雨をどう還流させるか、そこに力を尽くしていくべきだと考えています。

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【動画】高木典雄・うきは市長 実り豊かな大地をアピールする『うきはテロワール』について

(つづく)

【文・構成:内山 義之】


<プロフィール>
髙木 典雄
(たかき・のりお)
1951年8月、福岡県浮羽郡浮羽町(現・うきは市)出身。74年、福岡大学商学部2部を卒業。70年に建設省九州地方建設局(現・国土交通省九州地方整備局)に入省。94年から98年まで、建設省九州地方建設局から浮羽町助役に出向。その後、福岡国道事務所副所長や九州地方整備局調査官、九州地方整備局総括調整官などを歴任後、2012年3月に国土交通省を退官。12年7月にうきは市長に初当選し、現在3期目。

(後)

法人名

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