2024年05月21日( 火 )

【まるの会・一條氏のコンサル資質に疑義(18)】SDH社問題 一條氏と須見氏の対立? 分断された投資家たち

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 当該シリーズ、【まるの会・一條氏のコンサル資質に疑義】の(1)~(6)までで既報していた、フィリピンのS DIVISION HOLDINGS INC.(フィリピン、須見一代表、以下SDH社)をめぐる問題について、債権者を名乗る読者(以下、A)から情報提供がなされた。

 Aの証言を基に、SDH社をめぐる投資家らの状況を見てみる。

1口100万円。1口利回り12%、3口だと16%

 Aは2020年に、知人の紹介で「まるの会」に入会した。21年、まるの会の営業担当者から、SDH社の社債を紹介される。1口100万円。年間利回りは12%だが、3口購入だと利回りは16%になると説明されたという。Aは1口(100万円)を購入した。

 利払いは毎月となっており、Aには21年10月から毎月1万円ずつ利息の振り込みがあった。ところが、22年8月ごろから振り込みが遅れるようになる。1カ月遅れて1万円が振り込まれた。翌月も振り込みが遅れてさらに1カ月後に1万円が振り込まれた。

 これに対して、まるの会の営業担当者は、「海外から国内銀行へ送金するにあたって、マネーロンダリングの疑いを銀行から受けて、手続きが遅れがちになっているため」と説明し、「書類をそろえて銀行に確認してもらっているので、その疑惑が晴れれば、今後はスムーズに送金が可能になるはずだ」と答えたという。だが、その後、SDH社からの利払いは完全にストップしてしまった。

SDH社の金商法違反で暗転、一條氏と須見氏の対立関係へ?

 23年6月、証券取引等監視委員会は、SDH社ならびに代表の須見氏らが有価証券届出書を提出することなく社債等の募集を行っていたとして、SDH者らに対して金融商品取引法(金商法)に違反する行為の禁止および停止を命ずるよう、大阪地方裁判所へ申し立てを行った。

 これをきっかけに、SDH社から投資家への利息の支払い遅延問題は、元本の返還問題へと切り替わっていく。

 ここで、まるの会代表の一條好男氏は、日本国内の投資家らの代表として、SDH社の須見氏に対して、元本と未払い利息を含めた返還を迫って須見氏と交渉を始める。

 当初は、23年6月までの利息と元本をSDH社が9月から36回支払いで返済することでまとまったとして、投資家らの合意書の取りまとめを行っていた。ところが、SDH社が作成した合意書の誤記載などで交渉は暗礁に乗り上げ、それらを理由に一條氏は、「SDH社と友好的な解決ができない」と宣言。須見氏とSDH社が投資家の権利をまもるための約束事項を履行しない場合は、集団訴訟を起こす決意であるとして、須見氏との対立関係を鮮明にしていく。

 一方の須見氏も一條氏に反発し、独自に投資家らに対して利息・元本の返還にかかわる合意書を送付。それに対して一條氏は、「期限の利益の喪失条件」が記載されていないことを理由に、合意書をSDH社へ返送しないよう投資家らに呼びかけ、返送した場合は、あくまでも投資家の「自己責任」になると通知した。

 Aは、自身の責任を認めない一條氏の姿勢や、一條氏が主張する集団訴訟では元本返還の確実性に疑問をもった。その一方で、須見氏が投資家らに誠実に直接返還すると主張しているため、須見氏を信じて直接やり取りを始める。

 ところが、須見氏からは数回の入金があったきりで、その後、入金はとまってしまった。須見氏は「元本を返還する意思があるが、フィリピンの法律上の理由や、海外から日本への送金手続き上の理由で、スムーズに送金ができない」と主張しているという。

 一方の一條氏はその後雲隠れ状態で、まったく連絡がつかないという。

 Aが購入した社債の元本100万円は戻っていない。これまでに振り込まれた額は、当初の利息も合わせて十数万円程度である。

感情的にコントロールされた投資家たち

 SDH社の金商法違反指摘後、須見氏はウェビナーで、同社の社債や投資商品を買った投資家らに対して返済計画を説明している。そこでは、一條氏が投資家代表のような立場で、須見氏と一対一でやり取りし、それに対して須見氏が一生懸命事情を説明しているという状況である。

 このウェビナーに参加した投資家らは、投資家の代表として須見氏を厳しく追求する一條氏を頼もしく思った人もいれば、まるで一條氏にいじめられながらも一生懸命、資金の返還策を説明する須見氏に同情する投資家もいたようである。

 要するに、ウェビナーに参加した投資家らは、感情的に、一條氏に従う者と、須見氏をあてにする者とに分かれていった。

 その後、状況は投資家にとってまったく好転していない。Aの場合、国内のエージェントである「まるの会」を通してフィリピンのSDH社の社債を買ったにもかかわらず、直接、国外のSDH社とやりとりする状況になり、国際送金の障壁を理由に資金を回収できない事態に追い込まれている。そして、社債購入を仲介した「まるの会」とは、投資家の自己責任を盾にする一條氏と連絡が取れない状況になっている。

 このような一連の状況展開を冷静に見れば、一條氏と須見氏の対立関係に動揺した投資家たちは袋小路に入ってしまったと言わざるを得ない。

 一方でこのような状況から利益を得ているのは誰なのか。投資家諸氏には、よくよく冷静に見極めていただきたい。

【寺村 朋輝】 

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