総選挙後に「ゆ党」に豹変、国民騙しの玉木氏の野望
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自公過半数割れでキャスティングボードを握った国民民主党の玉木雄一郎代表が総選挙後に「ゆ党」に豹変、首班指名選挙で白票を投じて石破政権延命をアシスト、政権交代を望む民意を裏切ろうとしている。少数与党の弱みに乗じて総理ポストをつかもうという野望も透けて見える。「石破おろしで『玉木首相』誕生?」と銘打った23日の夕刊フジのシナリオに沿った発言を玉木代表が繰り返しているのだ。
フジテレビ客員解説委員・平井文夫氏は、こんな展開を予測していた。
「(総選挙後)国民民主党は自民党に連立入りを『お願い』されたら入閣ではなく首班を要求しなければダメだ。すなわち、『玉木首相の誕生』である。これだと石破氏が首相ではなくなるので、自民党も『石破おろし』をしなくてすむという利点もある」(23日の夕刊フジ)自公過半数割れは政権交代を望む民意の現れであり、首班指名選挙で野党が足並みをそろえて「野田」と書けば、野田連立政権が誕生する。「政権交代こそ、最大の政治改革」という野田代表の訴えが実現、企業団体献金禁止など抜本的政治改革法案が提出され、裏金政治からの脱却が図られるのは確実だ。
しかし玉木代表は29日、総選挙後初の定例会見で「首班指名選挙の決選投票で玉木雄一郎と書く」と繰り返し述べたのだ。首班指名選挙の決選投票は、石破氏と野田氏が争う可能性が極めて高く、そのときに国民民主党(28議席)が「玉木雄一郎」と書けば、白票となり、立民などの非自民勢力は自公議席(215)を下回り、石破首相が再選される。少数与党の自公政権が続くことになるのだ。政権交代を望む民意を裏切り、石破政権延命に手を貸したともいえる。
総選挙中から玉木代表は“隠れ自民党”のような発言をしていたので、先の夕刊フジが出た翌24日、地元(香川2区)での個人演説会後の囲みで自公過半数割れでの対応について聞いてみた。
──野田政権の一翼を担う考えはないのか。(国民民主党の目玉政策の)ガソリン減税がすぐできる。
玉木 野田政権の一翼を担うということは野田政権が過半数を取るということか。
──自公過半数割れをしたときに、トリガー条項、ガソリン減税など重点政策で一致したうえで。
玉木 いまどこの党と組むという気はない。どの党ともない。いい政策は協力する。ダメな政策はダメと言っていく。国民民主党は国民民主党として大きくしていく。それだけだ。
──政権交代の民意を裏切ることになるのではないか。(自公)過半数割れをしたのに、野田政権に加わらなければ。
玉木 (首を捻った後)そこは、どの党であろうが、基本政策の一致がないのに政権を共にすることはない。
──重点政策2つか3つで一致すれば(連立が組めるのではないか)。
玉木 3つ申し上げているのは、外交安全保障、原発を含むエネルギー政策と憲法についての考え方、この3つは基本政策として何カ月前、何年も前から申し上げているので、一切変わりない。
──政権交代をぜひ実現するという思いはあまりないのか。
玉木 過半数割れに追い込みたいと思う。
──だったら野田政権に加わって新しい政権をつくる。その一翼を担うという結論にならないとおかしいのではないか。
玉木 (首を捻ってすぐに答えず)
──(自公)過半数割れに追い込んだら、新しい政権が誕生しないと民意に応えたことにならないのではないか。そのへんが曖昧すぎるのではないか。
玉木 それが横田さんの考えではないか。
──国民全体ではないですか。だから「国民民主党にだまされるな」というハッシュタグができるのは、(国民民主党は)野党と思って投票したら「ゆ党」のような対応をする可能性があるということを危惧している。
玉木 あれは、東京大学の先生が明確に分析していたが、れいわと共産党の方、あと、立憲の一部のほうがリツイートしていて、主に5人のれいわのインフルエンサーの方の投稿で広まったと。ネット上の客観的な分析があるので、いま仰ったような指摘は当たらない。
──政権交代の民意を裏切ることはないのか。
玉木 無言(私の質問には答えず、他の記者との質疑応答が開始)
──ミッション型内閣ではダメなのですか。泉(健太・立憲前代表)さんが以前、言っていた。トリガー条項(廃止)など3つぐらいの政策で一致して、政権交代を果たせばいいのではないか。
玉木 いつも言っているのだけれども、3つのさっき言った、外交安全保障と原発を含むエネルギー政策と(憲法改正の)基本政策で一致しないと。辺野古新基地の問題で民主党政権は崩壊したし、まあ、基本政策が一致しないと長続きしないなというのは、民主党政権の反省を私たちはすごく感じているので、どの党との組み合わせになるのかは分からないが、それ(基本政策の一致)がないと政権は長続きしないと思う。
──自公も政策が食い違っているのに政権を組んで。
玉木 無言(駆け寄ってきた支持者との対応、サイン書きに終始)
──(目玉政策のガソリン減税関連の)法案提出するよりもガソリン減税の実現を急いだ方がいいのではないか。野田政権に加わって。
玉木 結局、同じなんだよ。
──そっちのほうがすぐ実現するではないか。
玉木 どういう結果になるかだよ。
──(自公)過半数割れをした前提で。
玉木 それでもさ、立憲民主党が過半数、行くわけないじゃない。
──国民民主も加わって。
玉木 うちが加わっても足りない。
──維新も加わって。それを泉(健太・立憲前代表)さんが(ミッション型内閣として)言っていたではないですか。
玉木 維新が加わっていいの。
──ミッション型内閣で重点政策3つぐらい実現すれば、いいではないか。そういう現実的な──。
玉木 無言(スタッフに挨拶)。
──(野党間の)政策の違いを乗り越えて、自公政権みたいに(国民民主党の目玉)政策を実現すればいいのではないのか。
玉木 よし(と言って車に乗り込む)。
──(基本政策の一致という)きれいごとだけ言っても政策が変わらないのではないか。
玉木 (無言)
総選挙中から玉木代表は、野田政権の一翼を担うことに否定的。石破政権を延命させる“隠れ自民党”のような発言をしていたのだ。
玉木代表は結局、野党を思って国民民主党に投票した有権者をだましたのは間違いない。自公過半数割れとなって政権交代が起きると期待したのに、総選挙投開票直後から玉木代表は「首班指名決戦投票でも玉木雄一郎と書く」と明言、石破政権延命に手を貸すと宣言したに等しいからだ。
そして、自民党内で石破おろしの機運が盛り上げれば、「首班指名で玉木雄一郎」となる可能性もあるという展開もにらんでいるのではないか。かたくなに野田政権誕生を拒否しているのは、そんな野望を抱いていることも一因のようにみえるのだ。今後の玉木代表の言動から目が離せない。
【ジャーナリスト/横田一】
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