結婚式場「アルカディア」前社長ら逮捕、助成金詐欺の疑い
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新型コロナウイルス対策の雇用調整助成金(雇調金)を不正に受給したとして、福岡・佐賀両県警の合同捜査本部は3日、結婚式場運営会社「アルカディア」(福岡県久留米市)の前社長・大串淳容疑者(54)=同市=ら5人を詐欺の疑いで逮捕した。捜査関係者によると、不正受給額は約2,200万円にのぼるが、被害は1億円を超える可能性があるという。
逮捕容疑は2022年12月12日から23年2月9日にかけ、従業員97人の休業日数を水増し申請し、福岡労働局から雇調金2,202万円をだまし取った疑い。アルカディアは2020〜22年に約10億円の雇調金を受給しており、警察は実際の勤務実態や指示系統を詳しく調べている。
ほかに逮捕されたのは、取締役の後藤豊陽容疑者(48)=福岡県春日市、総務部長の生嶋峰子容疑者(59)=佐賀県鳥栖市、社員の小牟礼文彦容疑者(49)=福岡県久留米市、社員の篠崎貴志容疑者(48)=北九州市。5人の認否はいずれも明らかにされていない。
同社は1989年設立で、福岡や佐賀に結婚式場を展開。コロナ禍前は40億円を超える売上高があったが、コロナ禍で売上高が大幅に落ち込み、20年8月期に6億円、21年8月期に2億3,400万円の赤字を計上していた。従業員は24年1月末時点で約140人。大串容疑者は地元の大学を卒業後、冠婚葬祭互助会の運営企業に勤務。退社した後、「ロイヤルパークアルカディア」に2002年9月、オープニングスタッフのアルバイトとして入社。その後昇格を重ね、24年2月末まで社長を務めていた。
大串容疑者は社長退任後も「エグゼクティブ・マネージャー」の肩書でラジオ出演などをしていたが、そのころには県警が捜査に乗り出しているとの噂が広まっていた。雇調金は企業が雇用を維持する際の国の支援制度だが、コロナ禍で手続きが簡略化されたことで、不正受給の事例が各地で相次いでいる。警察は今後、組織的関与の有無や資金の流れについて追及を進める方針だ。
【緒方克美】
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