2024年03月29日( 金 )

2015-16年インフルエンザ概況

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 毎年冬の時期に流行するインフルエンザだが、今年は早くも9月に茅ヶ崎市の小学校で学級閉鎖が確認されている。例年であれば12月から2月にかけての寒さが厳しいときにインフルエンザのピークを迎えるが、今年は早めの備えが必要かと思われる。

 症状として特徴的なものは高熱で、場合によっては重症化するため注意が必要である。インフルエンザを予防するためには、予防接種を受ける必要がある。もちろん予防接種を受けてもインフルエンザにかかることはあるが、かかる確率を減らすことはでいる。インフルエンザにかかっても、もともと健康な人ならほとんどは自然治癒するが、抵抗力が弱い人は、入院が必要になったり、場合によっては亡くなったりすることすらある。「ワクチンを接種していてもインフルエンザになるのだから、ワクチン接種は不要だ」という意見もたまにあるが、こういう方は手洗いも不要だと考えるのだろうか。手洗いはインフルエンザをはじめとした感染症予防の基本だが、もちろん、手洗いをしていてもインフルエンザになることがある。
 インフルエンザの完璧な予防法はない。だが、複数の感染対策を併用して、少しでもインフルエンザにかかる確率を減らすことを目指すことが望ましい。そのなかでもインフルエンザワクチンは、感染を予防する最も効果的な方法だとされている。個人がワクチンを接種しないと選択するのはもちろん自由だが、ワクチンが不要などと医学的に誤った情報を拡散するのは無責任だと言えよう。

 2015-16年のインフルエンザワクチンは、従来の3価ワクチンに1価加えた4価ワクチンが使用されており、一部供給が遅れていたが、現在は正常に供給されている。ワクチンは、接種してから効果が現れるまで1~3週間程度を要し、約半年間効果があると言われている。受験生の場合は、受験日から逆算して、医師と相談したうえでワクチンを接種することもおすすめする。なお、ワクチン接種は自由診療のため価格はまちまちなので、事前に医療機関に問い合わせをすると良い。
 繰り返しになるが、予防接種は受けたからと行ってインフルエンザにかからなくなるものではない。大事なのは手洗い・うがい・十分な睡眠・バランスの良い食事など、他の予防対策も併せて行うことである。
【酒井 満】

 

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