25年地価公示・北九州 1位から5位は小倉駅周辺

 今年の地価公示では、北九州市の商業地は9年連続(前年比3.9%増)、住宅地は4年連続(同1.6%増)、工業地は7年連続(同6.0%増)の上昇となった。北九州市の中心地である小倉北区に限れば、商業地が5.1%増、住宅地が1.7%増、工業地が6.5%増となった。

 なかでも、商業地は【表】のように小倉駅の周辺地点が価格上位を占めた。価格順1位の「京町2-7-8」は、小倉駅から徒歩2分のSRC造8階(地下2階)建のオフィスビルで、「安定的に収益物件に対する需要が見られることから現状の土地利用を維持して推移すると考えられる」と評価された。

 2位の「魚町2-1-8」は、小倉駅から徒歩6分の魚町銀天街内にある店舗ビルで、「顧客の流動性も戻りつつあり、地価についても上昇傾向で推移」すると評価され、上昇幅も拡大した。

 3位の「米町1-3-22」は、小倉駅から徒歩6分の学習塾などが入るオフィスビルで、前年の大幅上昇(14.5%)から上昇幅は縮小。だが、「商業地としては熟成されているものの、周辺ではホテルへの用途変更なども見られ、容積率緩和の影響もあり、今後は築古ビルの建替え需要なども見込まれる」と評価された。

 4位の「魚町1-6-4」は、1位の「京町2-7-8」からも近い、小倉駅から徒歩3分の飲食店が集積する歓楽街のビル。「コロナ禍により一時的に店舗収益性が不安定となっていたが、新規開業する飲食店も見られ、時間の経過とともに回復してきており、地価は当面上昇傾向で推移する」と評価され、上昇幅も前年(3.4%増)を上回った。

 5位の「室町2-5-1」は、小倉駅から徒歩11分、JR西小倉駅から徒歩6分のRC造7階(地下1階)建のオフィスビル。商業施設・リバーウォーク北九州の向かいの立地で、「共同住宅用地としての需要から地価は上昇傾向で推移していく」と評価された。

 今回特集した「旦過市場」には標準地がないものの、近隣では「馬借1-16-12」と「堺町1-4-6」が標準地とされている。「馬借1-16-12」が前年(4.1%増)を上回る上昇(7.8%増)となっている。周辺はマンションや店舗などが集積しており、「都心部の幹線背後に位置し、需要は安定しており、地価も上昇傾向に推移」すると評価された。「堺町1-4-6」も同様に、前年(5.0%増)から上昇幅を拡大(6.6%増)。周辺は歓楽街を形成しており、価格順4位の「魚町1-6-4」と同じ歓楽街であることから、コロナ禍の終息で地価上昇が続いていくと見られると評価された。

【永上隼人】

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