自民党内において総裁選の前倒しを求める声が現職の政務官や副大臣からも出ており、世論でも石破首相や自民党執行部に対する批判が広がりつつある。
8月は戦後80年という節目であり、戦後談話の是非が浮上した。さらに、参院選で争点となった外国人政策や減税をめぐり、不満の声が大きい。そうしたなか、8月最終日の31日、インターネット上での呼びかけにより首相官邸前で「石破辞めろデモ」が行われ、約4,000人(主催者発表)が集まった。

デモは午後4時から始まり、若者から高齢者まで幅広い年代、さまざまな職業の人々が「石破やめろ」と連呼した。官邸前を含め国会や議員会館など永田町周辺は、警察による厳戒警備が敷かれていたが、参加者によるとデモの列は1㎞におよんだという。官邸の向かいにある国会記者会館周辺などでは、多くの人が日の丸や手製のプラカードを掲げ、首相退陣を訴えた。

デモに参加した東京在住の女性は「組織的ではなく、一般の人がそれぞれの思いで参加していたと思います」と語り、「立場は様々ですが、石破首相の辞任を求める声で共通していました」と話した。
17日にも東京や大阪、鳥取でデモが予定されている。
最近の各メディアの世論調査では、石破首相の支持率は上昇傾向にある。しかし保守層を中心に経済政策や外国人政策への反発が強く、世論調査とSNS世論の乖離が目立ち始めている。自民党内の総裁選前倒しを求める動きも、こうした声が背景にあるとみられる。今回のデモも、一部に過激な表現はあるものの、SNS上の「憂国の声」が反映された動きであり、参院選で新興勢力が台頭したこととも連動して、SNS世論が現実政治に影響を及ぼし始めたと捉えるべきではないだろうか。
【近藤将勝】
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